WR-Vやフロンクスのかなり前から「当たり前」だった! 海外生産の「日本メーカー車」の日本導入 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スズキ・フロンクスやホンダWR-Vなど2024年は海外生産の日本車の当たり年だった

■これまでに日本でも数多くの海外生産の日本車が販売された

■日本製が重視されることもあるため効率を求めた海外生産は必ずしも成功するとは限らない

2024年は「海外製日本車」の当たり年だった!

 2024年を振り返って「逆輸入車の当たり年だった」と指摘する声も聞こえてくる。たしかにスズキ・フロンクスやホンダWR-Vといったインド生まれの日本車(国産車ではないですね)は大いに注目を集めた。

 たとえばWR-Vはタイの拠点で開発され、インドで生産されている。まさにグローバルな時代を感じさせる背景から誕生したモデルなのだが、じつは生産におけるグローバル展開というのは日系メーカーが得意としてきたビジネスモデルだったりする。

 前々から自動車産業はグローバル化に積極的な印象もあるだろうが、それでも自国が最大市場であるケースが多い。そのなかで、日系メーカーはいち早く世界展開に注力してきた。売れる場所で作るという「地産地消」モデルは日系メーカーの十八番だったのだ。

 世界的な巨大自動車メーカーであるフォルクスワーゲングループやGM(ゼネラルモーターズ)は、それぞれ欧州や北米といった自国(と近隣)のマーケットで稼いでいる。一方、日本の自動車メーカーには、スズキやホンダをはじめ多くの会社が海外での販売台数や稼ぎのほうが多い企業も目立つ。

 さて、フロンクスが発売されたニュースを見てスズキが初めてインドから輸入したモデルの名前を思い出した人、記事内で見かけて懐かしいと感じた人もいるのではないだろうか。その元祖インド産モデルといえるのが「バレーノ」である。

 2016年、日本に導入された初代バレーノの全長3995mmというのはインドの税制に合わせたものだが、全幅は1745mmと3ナンバーサイズとなっていた。パワートレインは1.2リッター4気筒と1リッター3気筒ターボの設定。本革シートや、当時としては先進的なミリ波レーダーを使ったACCを搭載するなど「小さな高級車」を地で行くような仕様だった。

 全高も1470mmと低くスタイリッシュ、玄人筋の評価は高かったと記憶しているが、スズキで3ナンバーのハッチバックを購入するというユーザーが少なく、また初めてインドから輸入される日本車という先入観もあって、さほど人気を集めることなく日本からはフェードアウトした。

 しかしながら、このバレーノによる地ならし・種まきがあったからこそ、2024年のフロンクス人気につながったともいえる。

 ちなみに、インドではバレーノは2代目へと進化、プラットフォームはフロンクスと共通だったりする。その意味で、スピリット的にフロンクスはバレーノ後継といえるのかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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菅麻貴子(作詞家)

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