マレーシアには自国自動車メーカー「プロトン」と「プロドゥア」が存在! BEV化の流れが押し寄せるなか「中国ブランド」の脅威に抗えるか? (2/2ページ)

他国では見ないクルマが街を駆け抜ける!

 空港から市内へタクシーで向かったが、街を走るクルマはプロトンとプロドゥア車ばかり、プロトンは中国ジーリー傘下で、プロドゥアはダイハツが資本参加しているので、いずれも「どこかで見たことのある」モデルばかりなのであるが、微妙に顔つきが異なっていたりして、ほかの東南アジア諸国とは見える風景が異なっている。

 実際にショー会場を訪れると、プロドゥアは市販車が置かれていなかったものの、プロトンにはジーリーモデル系ではない、プロトンオリジナルのコンパクトセダン「サガ」が置いてあり、思わず感激してしまった。

 日系ブランドでは、トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダがブースを構えていた。トヨタは新型カムリのマレーシアプレミアと、カローラクロスの改良モデルを、日産はキックスeパワーのマレーシアでの発売、ホンダはプレリュード・コンセプトのアジアプレミアなど、魅力的なモデルを会場内で発表して存在感を示していた。

 自国ブランドを有するマレーシアは、人口がタイの約半分となるものの、2023暦年締め新車販売台数では、東南アジア有数の自動車生産国であるタイを上まわり、インドネシアに次ぐ2位となっている。

 開幕式にはダトゥク・セリ・ファディラ・ユソフ副首相が出席し登壇。マレーシアをBEV(バッテリー電気自動車)の生産拠点として新たなイノベーションを起こしたいと語っていた。しかし、その肝心のBEVは街なかを見るとタイの首都バンコクはおろか、インドネシアの首都ジャカルタより目立っておらず、普及は伸びているもののまだまだこれからといった様子がうかがえる。KLMS2024には中国系ブランドも出展しているが、BEVを前面に押し出すことなく、HEV(ハイブリッド車)など、ICE(内燃機関)搭載車の展示も目立っていた。

 自国ブランドがあるだけに、このままタイやインドネシアのように中国系ブランドの存在感がひたすら増していくのか、その先行きはじつに興味深いものとなっている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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