スリリングなバトルが終始繰り広げられた「Challenger部門」
休憩を挟んだ後、いよいよ世界のプレイヤーが参戦した「Challenger部門」がスタートした。こちらは決勝レース第1戦・第2戦・第3戦の3部制。この部門には、本家グランツーリスモの世界大会「グランツーリスモ ワールドシリーズ」でも活躍する上位ランカーの顔がちらほらと見受けられた。
例えば2018年の「グランツーリスモ ワールドシリーズ」でネイションズカップのチャンピオンを獲得し、その後の2024年のSUPER GTのGT300クラスに参戦しているブラジルのイゴール・フラガ選手、2021年のネイションズカップでチャンピオンを獲得したホンダ大好きイタリア人のヴァレリオ・ガロ選手、2023年のマニファクチャラーズカップで優勝した日本人の國分諒太選手など、レベルの高さを感じさせる選手ラインアップだった。
そんな「Challenger部門」、まず決勝レース第1戦は、序盤に衝突などアクシデントがあった上に、2位の鈴木聖弥選手との首位争いを制したブラジルのイゴール・フラガ選手が優勝。続く第2戦では日本人の佐々木拓眞選手が優勝。決勝レース第3戦は、フランスのキリアン・ドルーモ選手が優勝。佐々木拓眞選手は4位となり、フラガ選手は6位、國分選手は7位と下位に沈んだ。
この結果、全3戦の合計ポイントランキングで1位を獲得したのは、第2戦を制した佐々木拓眞選手、2位は鈴木聖弥選手、3位はヴァレリオ・ガロ選手となった。
優勝した佐々木拓眞選手は、2023年の大会で惜しくも2位だったことに触れながら「今年はあまり勝てないレースが続いたなか今回のレースで勝てたこと、そして去年の雪辱を晴らすことができて非常にうれしいです」と優勝の喜びを語った。
また、第3戦のレース展開に関しても触れ、「タイヤの消耗が激しいソフトタイヤを使って上位を狙ったのですが、ペースが早くて追い抜けなかった。その一方で、ハードタイヤに交換した後も順位をなんとかキープして総合優勝できたということは、今後の世界大会を戦う上でも自信にも繋がりました。」と笑顔ながらに語った。
モータースポーツの裾野を広げるために活動を始めた「Honda eMS Motorsports」。こうした企業としてのeモータースポーツ活動は、日本だとトヨタ・マツダ・日産が、そして海外ではメルセデスAMGやポルシェなど名だたるメーカーが取り組んでいる。
2022年には日本国内のeスポーツの経済規模は100億円を超えたといわれており、その経済効果は「ヴァーチャルだから」という文言が通用しないほどいまなお成長を続けている。「Honda eMS Motorsports」の活動を通じて、「HRC」の理念のひとつでもある「持続可能なモータースポーツの実現」を感じた、そんな意義のある1日となっていたように思う。「Honda eMS Motorsports」の未来にも注目していきたい。