【試乗】ホンダが5リッターV8エンジンを新開発! 350馬力ながらレギュラー仕様の船外機は「燃費」も「静かさ」も「さすがホンダ」だった!! (2/2ページ)

BF350はバランスのよいクラスベストの船外機

 長い前置きになった。試乗と行きましょう! 最初のフネは『NSB335』という日本製。今までホンダなら250馬力エンジンの2機掛けだった。正直なところ、船体(ハル)の剛性不足なのか巡航時~高速巡航時に振動を感じるなど、あまり印象よろしくなかったフネです。期待せず走り出すと、あらま! 不等間隔爆発の60度V8ということもあり、アイドリングで若干エンジンが揺れていたが、回転数上げていくと滑らかになっていく。

 船外機も乗用車と同じく振動を低減させるエンジンマウントを使うけれど、基本的にハルから飛び出させて搭載する。しかも乗っている人から1mくらいの距離にあるため、振動&騒音が大きいと厳しいことになってしまう。350馬力は驚くほど滑らかで静か。フネがよくなったような気がする。いやいや船外機でこれほどフネのイメージ変わるとは思ってもいなかった。それだけ350馬力の設計が新しいということなんだと思う。

 ちなみに全開すると50ノット出た! 凄いね! 時速にしたら95km/hながら、海の速度感って陸上の3倍といわれる。実際、50ノット出るフネは少ない。一番速い海上保安庁の高速特殊警備船で40ノット。自衛艦だと『はやぶさ』が最速の44ノット。海面から浮いて航行するジェット船ですら45ノットしか出ない。30ノットの巡航なら(それでも素晴らしく速い!)リーンバーンモードになり燃費を稼げる。

 続いて乗ったのは『ロバロ305B』というアメリカのフィッシャー(西洋風の釣りをするためのフネ)。ハルが厚いためドッシリした乗り心地を持つ。アメリカンフィッシャーに350馬力2機掛けはマイアミあたりだと当たり前。一番多い組み合わせだと思う。もっといえばこういったフネ用に開発されたため、快適至極! フネが重いので40ノットくらいしか出ないけれど、多少の波をなど断ち切っていく。

 25ノット程度の巡航も試したが、やはりリーンバーンモードに入り、騒音や振動レベルはこのクラスの船外機のベストといっていい。ヤマハやスズキの350馬力だとV6なのだった。静かさという点でライバルになるのはマーキュリーの5.7リッターV10ながら、価格と燃費と重量で優位。ホンダが新型350馬力のストロングポイントを積極的にアピールしていけば、なかなかいいビジネスになりそうです。


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