一部から評価されるも売り上げはサッパリ……
■トヨタC-HR(2016年発売)
トヨタC-HRは2016年に発売されたコンパクトSUVで、全長は4360mmだからカローラクロスよりも短い。パワーユニットは直列4気筒1.2リッターターボと1.8リッターハイブリッドを用意した。
1番の特徴は外観で、後端のピラー(柱)が太くサイドウインドウは小さい。斬新なデザインが注目された。しかし、後方視界がきわめて悪く、後退時にはバックモニターに頼った。当時のバックモニターはいまに比べて視野が狭く、後退時には気を遣った。開発者に視界について尋ねると、「トヨタの視界に関する社内基準をギリギリでクリアした」と説明された。
それでも外観は、見方によっては個性的でカッコイイ。発売の翌年になる2017年1〜6月は、1カ月平均で約1万3000台を登録して、小型/普通車販売ランキングでは、プリウス、ノートに次ぐ3位に入った。しかし、その後は急落して2022年には1カ月平均が1000台を下まわり終了した。
■最終型スズキ・エスクード(2017年発売)
初代スズキ・エスクードは、1988年にコンパクトなサイズで発売され、初代マツダ(当時はユーノス)ロードスターなどと並んで若年層を中心に人気を高めた。しかし、その後は海外指向を強めてボディを拡大させ、売れ行きを下げた。
それが4代目で再びコンパクト化したが、日本仕様は1.6リッターエンジンで登場しながら、その後に1.4リッターターボに変わった。さらに最後は1.5リッターフルハイブリッドと5速オートギヤシフトの組み合わせに変更されて値上げされるなど、紆余曲折が多く売れ行きを低迷させた。
■ホンダ・ジェイド(2015年発売)
ホンダ・ジェイドは3ナンバーサイズの5ドアハッチバック風の3列シート車として発売された。全長は4650mm、全幅は1775mmと少しワイドで、全高は1530mmと3列シート車ではかなり低い。従って立体駐車場も利用しやすい。
ただし、3列目のシートはかなり狭い。さらに2列目シートも座面の奥行寸法が1列目に比べて55mm短く、大腿部に違和感が生じて座り心地も悪かった。それなのにジェイドは3列シートミニバンとして発売されたから売れ行きは低迷した。2015年の発売時点では、1カ月の販売計画を3000台と公表したが、2017年の1カ月平均登録台数はわずか166台であった。発売から2年後の売れ行きが計画台数の6%に留まる車種は珍しい。
ただし、ジェイドは低重心のワイドボディによって走行安定性は優れていた。そこで2018年に2列シートのRSを加えている。この後席は3列シートの2列目よりも快適で、優れたミドルサイズハッチバックであった。
しかしこのとき、すでにジェイドは不人気車のレッテルを貼られており、販売不振を回復できなかった。