バス・タクシー運転手の共有化も有効か
バスは時刻表に縛られている限り、低収益と人手不足を解消することが難しい。タクシー事業者と手を組んで、バス運転手とタクシー運転手の共有化をすることも検討する時期に来ているのではないだろうか。将来的には企業合併が理想的なのだろうが、それぞれの運転手が副業として行なうことで、残業時間の制約も受けることなく、運転手は収入増が期待できる。
バスとタクシーではピークタイムは異なるのだから、通勤時間はバス運転士のシフトを増やし、お年寄りが病院へと通う昼間や深夜はタクシー運転手のシフトを増やす。バス運転士でも早番遅番となっているところは多いだろうが、さらにタクシー運転手も大型二種免許を取得して、バス運転士を兼ねることで、お互いの人手不足を助け合えないだろうか。
予約やバス停留所での乗車待ちに合わせて運行するオンデマンド化についても、すべての時間帯で実施する必要はなく、昼間の乗客の少ない時だけオンデマンド化するなどの柔軟な運行を可能にすれば、バスやタクシー営業の最適化につながるはずだ。こうした取り組みを行えば、バス運転士の収入は1.5倍くらいに引き上げることだって不可能ではないだろう。
将来的にホワイトカラーの職種はある程度自動化できても、ブルーカラーは自動化できる分野とできない分野に明確にわかれていく。あるときからトラックドライバーも貴重な運転手として、一気に待遇が改善されることになるだろう。それまで物流業界がもち堪えて、徐々に待遇を改善させていければ、トラックドライバーの成り手も確保できるが、ほかの業種に人材が流出し切って物流が停滞すれば、人材を新たに確保する余力もなくなる。
いまからドライバーの待遇を大幅に改善していかなければ、大変なことになるかもしれない。