FRPなんてガン無視! デコトラ乗りが重くて高い「鉄」「ステンレス」で改造するワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマをカスタムする人にはFRPのパーツが人気だ

■デコトラ愛好家には鉄やステンレスのパーツが好まれている

■重くて加工が難しい鉄やステンレスのパーツが人気の理由を解説

デコトラの多くは鉄やステンレスのパーツを装着

 自動車大国日本では、数多くの自動車愛好家たちが存在する。旧車やスーパーカーなどクルマ本来のもち味を重視する人や、市販されているクルマを自分好みにカスタムする人まで、愛車を家族同然のように可愛がり、そして大切に扱っている。速さを競う人も多く、彼らは車体をいかに軽くするかにこだわる。そしてクラッシュによる車体のダメージも勲章としている節があるため、見た目の美しさを大切にする一般的な改造車マニアと比較すると、少々異質な存在であるといえるだろう。

 自動車のカスタムには車高を落とす、オシャレなアルミホイールを履く、FRP製のエアロパーツを装着するといった3つが一般的ではないだろうか。そこにマフラーなどが加わることで、見た目と中身を仕上げてゆくのだ。FRPは軽量かつさまざまなデザインに対応することができるため、自動車業界でも大いに活用されている。

 しかし、1970年代から今日へと続くデコトラは、少々内容が異なる。軽量かつデザイン製に優れたFRPには見向きもせず、重く加工が難しいステンレスや鉄でパーツを製作しているのだ。その理由はなんなのか、探ってみよう。

 デコトラという文化がブームになったのは、先述したように1970年代後半のこと。1975年から1979年にかけて公開された映画『トラック野郎』の大ヒットにより、トラックを飾るというスタイルが脚光を浴びたのだ。もちろんその当時ではFRPが普及していなかったのだが、なによりもメッキをかけた鉄やステンレスで飾りを製作するというスタイルが一般的だったのである。


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