”急”のつく操作は禁物
ひとつ目はタイヤの慣らし。レースでもタイヤに厳しいサーキットでは、アウトラップの2~3周は「ジェントルに入れ」と指示される。
レース用タイヤでも、市販車用のタイヤでも、新品のときに急激に大きな負荷をかけて使用すると異常発熱による損傷を起こしたり、偏摩耗が発生しやすくなってしまう。これがタイヤの寿命を大きく左右するので、市販車用の夏タイヤであれば、80km/h以下の速度で最低100km以上の慣らし運転をすることが重要(スタッドレスタイヤなら、60km/h以下の速度で200km以上の走行距離の慣らし運転が理想)。
慣らし運転をすることで、新品タイヤのツルツルの表面が一皮むけるとともに、タイヤがゆるやかに寸度成長し、リムとなじむことで故障耐久性が向上するからだ。
もちろん、この間、急ブレーキ、急加速、スキール音が出るようなコーナリングはNG。また、日頃の運転でも、駐車場からクルマを出して、走りはじめの15分ぐらいまでは急のつく操作は避けること。
もうひとつ、タイヤをこじるような操作もタイヤを痛める原因になるので、大舵角のときはアクセルをなるべく入れない。ブレーキを踏みながらハンドルを切り込んでいくオーバーラップの時間はなるべく短くする。そしていわゆる据え切りも封印しておきたいところ。
さらに、交差点などでよく見かけるのが、ハンドルを切りだすタイミングが遅く、あとから必要以上に大きくハンドルを切ったうえに、そのハンドルの戻し遅れが生じるケースも最悪。
曲がるときは、手前できちんと減速を終えて、早いタイミングからゆっくりとハンドルを切りはじめ、ヨーが出るのをひと息待って、クルマが出口に向かいはじめたら、早めのタイミングでゆっくりハンドルを戻していく。
Rが一定のコーナーなら、ハンドルは「1回切って、1回戻す」。これを基本にしてほしい。
最後は空気圧の管理。つねに適正な空気圧を保つのは、タイヤマネージメントの基本中の基本。月に一度、いまの時期のように基本の変化が激しい時期なら、2週間に1度はタイヤの空気圧を点検・調整し、ベストな空気圧をキープすることが肝要だ。