輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トラックの「輪止め」の役割について詳しく解説

■停車中のトラックが動くのを防ぐことができる

■外さずに発進してしまうと弾き飛んでしまうこともある

停車中のトラックが動かないようにするためのアイテム

 日々、わたしたちの暮らしを支えるために駆けまわる物流トラックたち。

 大手運送会社の小型トラックが個人宅への配送をするため、狭い住宅地を走る光景は毎日のように目にする。そんな彼らが納品などでトラックから離れる際、フロントタイヤに三角形状の「モノ」を噛ませているのを見たことがないだろうか。なかには、運転席のドアハンドルなどと紐で結ばれることもあるその「モノ」は、一体どのような役目を果たしているのだろう。

 その謎めいた三角形状の「モノ」の正体は、輪止めとよばれるアイテム。読んで字のごとく、輪(タイヤ)を止めるためのモノである。ほかにも手歯止めや車止め、車輪止めなどの呼ばれ方が存在しているが、無人のトラックが道路のわずかな傾斜やトラブルなどで動きだしてしまわないように、活用されているのだ。

 近年では、トラックでもAT化が進んでいるため、Pレンジにギヤを入れてあれば車両が動いてしまうということはないに等しい。MT車であっても、サイドブレーキさえ引いておけば動かないと考えるのが妥当だろう。しかし、プロとはいえドライバーも人間である。ましてや1日に何十件も配達するようなケースであれば、数日の間に1度ぐらいミスが起きても不思議ではない。

 時間に追われる業種でもあるため、ドライバーの気の緩みや焦りが勝ってしまうこともあるだろう。また、外部から予期せぬ力が与えられてしまうこともある。他車にぶつけられた場合などでも、自車が動き出さないような策を講じていれば、被害を最小限で済ますことができるのだ。

 万が一、無人のトラックが動き出してしまえば、とても大きな事故へと発展してしまう可能性が高い。住宅路であればなおさらで、市民を巻き込んでしまうことになりかねないのだ。世のなかに、絶対大丈夫ということはない。法的には輪止めの装着は義務付けされていないが、そのようなさまざまな理由から、輪止めを徹底する運送会社が増えているのである。


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