この記事をまとめると
■交通量があまり多くない交差点の信号機は感応式になっていることがある
■感応式信号機には「全感応式」と「半感応式」がある
■感応式信号機の交差点では停車位置がずれていると感知せずに信号が変わらないことがある
いつまでも青に変わらない信号機があったら……
交通量があまり多くない交差点などに設置されているのが感応式信号機だ。赤信号の道路にクルマが来て止まると検知し、間もなく信号を青に切り替える。こうすることで、より交通量の多い道路側の渋滞を抑制することができる。
仕組みは、停止線にクルマが停車する位置の上方に、脇の支柱からせり出すように超音波センサーが取り付けられている。センサーから道路までの距離を超音波で常時検出し、クルマが来ればその距離が短くなるため、信号待ちするクルマがあることを認識し、信号機の表示を切り替える。
感応式の道路側信号機には、その旨を知らせる看板が取り付けられ、感応式であることを運転者に知らせる。この感応式信号機では、運転者は停止線に正しく停止する必要がある。超音波センサーの照射範囲を外れると、感応しなくなるからだ。
感応式信号機は、昭和38年(1963年)3月に東京と横浜に設置されたのがはじまりで、以後、必要に応じて全国に広がった。
感応式信号機には、半感応式と全感応式の区別がある。
半感応式は、幹線(主要)道路と脇道との交差点などで、交通量の少なめな脇道のほうにのみ超音波センサーを設置し、クルマが来たとき信号を青に切り替える方式だ。
この半感応式では、脇道から来た軽車両や二輪車などは車体寸法が小さいため検知されない可能性があり、押しボタン式の機器を支柱に取り付けることで、手動により信号を切り替える対処ができるところもある。
全感応式は、交差点の双方の道路に超音波センサーを設置し、信号の切り替え時期の調整などに使われる。ひとつの交差点だけという場合もあるが、より効果的なのは、一定区間の交差点に超音波センサーを取り付けることにより通行量を認識し、青信号の時間調整をして渋滞が起きにくくするといった対策に利用できる。
感応式信号機の交差点で、停止線に停車してもなかなか赤から青へ変わらない経験をもつ人がいるのではないか。切り替え時間はその交差点の交通量などにより時間差がある。また、停止線で停車したつもりでも、位置がずれていることでセンサーが検知できず、切り替わらない場合もある。交差点への進入では、左右の確認のためつい停止線より前へ出がちな運転が身についている人もあるだろう。目視による安全確認は不可欠だが、交差点に設けられている停止線で必ず一旦停止する習慣が身についていないと、停止線からずれて止まる癖がついてしまい、感応式信号機の場合に赤から青へ変わりにくくなる可能性が高まる。
一時停止での停車を含め、停止線できちんと止まる習慣を身に着けると、適切な信号の切り替わりが行われやすくなるだろう。