スバルのフラッグシップを担うまでに
2代目レガシィは、メルセデス・ベンツのチーフデザイナーを務めたフランス人のオリビエ・ブーレイがデザインに加わり、欧州風味の造形が特徴だった。ここで、米国向けとしてアウトバックが登場し、国内ではグランドワゴンと名乗った。ほかに、ブライトンという車種ではエアサスペンションを採用している。
3代目は、レガシィといえばツーリングワゴンという認識が定着したなかで、4ドアセダンに再び価値をもたらすため、B4という名を与え、セダンの販売比率を拡大した。リヤサスペンションをマルチリンクにしたり、ポルシェデザインによるBLITZEN(ブリッツェン)という限定生産車を出したりするなど、新たな試みが行われている。ほかに、99年には、のちのアイサイトの前身となる運転支援機能のADAをランカスターに搭載した。
ここまでが、5ナンバー車である。
4代目から3ナンバー車になった。衝突安全や、欧州市場への対応がその理由だ。それでも、高張力鋼板やアルミニウムの活用により、車両重量を軽く仕上げている。2008年の改良で、運転支援機能のアイサイトを搭載した。
09年の5代目では、さらに車体寸法が拡大した。ここから、米国市場の比重が高まっていく。そして、レオーネ時代から伝統的なサッシュレスサイドウインドウが廃止され、一般的な窓枠付きになった。また、リニアトロニックと呼ぶチェーン駆動のCVT(無段変速機)が初めて採用された。
14年の6代目で、これまでレガシィといえばツーリングワゴンの印象が強かったのがなくなり、セダンとアウトバックの2本柱となる。しかし、2020年に4ドアセダンの受注が終了し、アウトバックのみとなって、スバルのフラッグシップと位置付けられた。
5代目以降、レガシィは国内でやや大きすぎるとの声が消費者の間でも高まり、それを受け、レヴォーグが2014年に誕生した。3ナンバー車ではあるが、レガシィが最初に全車3ナンバーとなった4代目に近い車体寸法であった。