10ベストカーに選ばれたクルマを選考委員が最終チェック
2024年11月26日に、千葉県にある袖ケ浦フォレストレースウェイで、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカーに選出された10台を集めた試乗会が開催されました。その様子をリポートしていきながら10ベストカーを紹介していきます。
日本カー・オブ・ザ・イヤーは、日本国内で自動車がさらに日常的に利用さること、そして多くのユーザーに最新モデルや最新技術を周知することを目的として1980年から始まりました。
前年の11月1日から当年の10月31日を1年として、日本メーカー・海外メーカーを問わずに日本国内で発売されたクルマのなかから、デザイン性・走行性・安全性など、さまざまな項目を含めもっとも優秀なクルマを選ぶものです。選ばれたクルマには「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の称号が与えられます。
その年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が日本メーカーの場合は、もっとも得票数の多かった海外メーカーのモデルに「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が与えられます。
また、そのほかに「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞が設けられています。
各賞に投票を行う選考委員は、自動車評論家やジャーナリストを中心とした有識者が務めます。41の雑誌やWEB媒体からなる実行委員会が候補者を推薦し、そのなかから60名を上限として毎年選考。今回は自動車評論家・ジャーナリストから59名が選出されています。
日本カー・オブ・ザ・イヤーは、まずノミネート車に対して選考委員が投票を行い、10台の10ベストカーが選ばれます。そこで1度リセットされ、最終選考として改めて10台に対して点数が投じられ、もっとも得点数の多かったクルマが「日本カー・オブ・ザ・イヤー」となります。
今回行われた10ベストカー試乗会は、最終選考前に行われる10台の最終チェックともいえる場。唯一同じ条件で10台のクルマに試乗できる重要な機会となっています。
試乗会場には、各メーカブースが設置され10ベストカーがズラリと並び多くの人とクルマで賑わうなか、緊張感も伝わってきました。それでは全31台のなかから選ばれた10ベストカーを簡単に見ていきましょう。
※ノミネート順
■スズキ・フロンクス
2024年10月に発表された新型フロンクス。「扱いやすいクーペスタイルSUV」をコンセプトに、力強さ・上質さ・洗練さを合わせもつデザインに、取りまわしのよさと快適な室内空間を兼ね備えた、新ジャンルのコンパクトSUVとなっています。走りの装備も充実していて、アクセルレスポンスを重視したエンジン制御でのスポーツモードの設定や、パドルシフトも装備されています。
■トヨタ・ランドクルーザー250
2024年4月に15年ぶりにフルモデルチェンジをして登場したランドクルーザー250。GFプラットフォームを採用し、取りまわしもよくなっています。ディーゼルは8速ATとなった走りも注目です。オンロードはもちろん、日常使いしやすいのも魅力のひとつといえます。
■ホンダ・フリード
2024年6月フルモデルチェンジをして登場した3代目フリード。上質でシンプルなデザインと使い勝手のいい装備が幅広いユーザーから人気を集めており、ホンダセンシングは標準搭載。また、ハイブリッドモデルには、先代とは異なるシステムのHonda独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載しました。
■マツダCX-80
マツダ国内最上級3列シートを標準搭載したラージサイズSUV。マツダらしい美しいデザインと余裕のある室内空間が特徴。直列6気筒エンジンを縦置きにして後輪駆動レイアウトを採用し、走りのよさも注目のポイントとなっています。
■三菱トライトン
9年ぶりのフルモデルチェンジをして6代目となった新型トライトン。ラダーフレームを用いた本格ピックアップトラックとなっている一方で、SUVのような見切りのよさ、ハンドリングを実現しています。市街地から悪路までどんなところでも走っていけるタフなクルマとして世界150カ国で発売されています。
■レクサスLBX
2023年11月、レクサスブランド最小SUVとして登場したLBX。コンパクトカー向けTNGAプラットフォームを刷新し、基本性能と電動化技術が進化しました。内外装ともに組み合わせが選べるオーダーメイドシステムBespoke Buildにより、自分らしいお気に入りの1台を選べるのも注目ポイントといえます。
■BYD・SEAL
2024年6月に発表されたSEALは、BYDのフラッグシップに位置づけられていて、最新技術が集結したe-スポーツセダンです。BYD独自のバッテリーを車体の構造体として組み入れたCTBテクノロジーで、より多くの電池セルを搭載できるため、ロングドライブが可能となっています。
■ヒョンデ・アイオニック 5 N
ヒョンデのハイパフォーマンスブランド「N」から初登場となるEVがアイオニック 5 N。パドルシフトが設定され、Nドリフトオプティマイザーなど、さまざまな制御が搭載されていて、EVなのにスポーツカーの走りやサーキットも楽しめると注目を集めました。
■MINIクーパー
10年ぶりのフルモデルチェンジを行ったミニ・クーパー。4種類のラインアップに加えBEVの導入は日本国内において初となります。ブランドのデザインDNAを継承しつつ、直感的に感じられるアイデンティティが盛り込まれています。
■ボルボEX30
街なかの立体駐車場に対応するサイズ、ボルボ史上もっともコンパクトな電気自動車SUVに加え、EV専用のプラットフォーム(SAE)を採用しています。リサイクル素材や再生可能素材を使用するなど、サステナビリティにも配慮され注目が集まっています。
さて、12月5日に紹介した10台のなかから今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が決定します。その様子はYouTubeチャンネルでライブでも配信予定なので、どのクルマが今年の称号を得るのか、その理由はなぜなのか、ぜひリアルタイムでチェックしてください。