カローラのスポーティ版という個性は徐々に消えた
しかし、1979年に登場した4代目モデルからは再び同型式をもつ完全な兄弟車となり、デザインや装備、価格に差異をもつ程度の差別化となっていた。
ただ、1982年8月には新たにスプリンターカリブというスプリンターの名前を冠したモデルを追加。これはカローラには設定されなかったもので、ステーションワゴンのボディに全車4WDの駆動方式を備えるいまでいうクロスオーバーモデルだった。
なお、スプリンターカリブの初代モデルはじつはカローラではなくターセル系のメカニズムを共有していたが、1987年に登場した2代目モデルではカローラ系のものに変更。1995年に登場した3代目は日本仕様のカローラワゴンには存在しないAE110系のワゴンモデルとなっており、欧州で販売されていた丸目ライトをもった仕様が「スプリンターカリブロッソ」として日本で販売されたことも記憶に新しいところだ。
その後、スプリンターのみに設定されたモデルは1987年に登場した6代目スプリンターをベースとしたシエロが知られるところ。
このシエロは5ドアリフトバックタイプのボディをもつモデルで、先代モデルにラインナップされていた5ドアハッチバックの後継車種といえるもので、カローラには2BOXタイプのFXが存在していたため、傾斜したリヤゲートをもつモデルはスプリンターにのみ設定されていた。
結局、そのあとは前述のスプリンターカリブ以外はスプリンター独自のモデルは登場せず、2000年8月に新世代のカローラが登場したタイミングでセダンやトレノの生産を終了。2002年夏には旧型となる100系を継続生産していたバンとビジネスワゴン、そしてカリブも終売となり、34年の長きに渡ったスプリンターの名前が消滅することとなったのだった。