レースシーンでも大活躍
ちなみに、両車とも一般道での痛快な走りが印象的かと思いますが、じつはレースシーンでの活躍も伝説的。ワンダーシビックは1985年の全日本ツーリングカー選手権において、中嶋 悟/中子 修が駆る無限シビックSiが、2クラス上のハルトゲBMW635CSiを追いかけまわし、ついに第4戦の鈴鹿では総合優勝を飾るという快挙。
※中嶋/中子号とは別のマシン
このグループAシビックがレギュレーションぎりぎりの800kgという車重だったのに対し、同カテゴリーに出場していたAE86は840kgほどで、いくらかのビハインドはあったものの、やっぱりトムスやTRDの威力は絶大で、開幕戦で優勝するという信じがたい活躍。
いずれも1.6リッターの最小クラスにもかかわらず、ですから、いかにハイチューンでレースに勝てるシャシーだったのかと思い知らされるエピソードに違いありません。
こうなると、ワンダーシビックとハチロク、どちらが当時の若者を熱くしたのかという議論に果てはなさそうです。あえて軍配の上を見つめてみると、軽くて強力なエンジンで俊敏な走りを楽しむ派がシビック、パッケージのよさとコントロール性から派手な走りを見せつける86派、といった感じでご勘弁いただきたいところ。
ちなみに、これを読んで胸ときめかせた方はぜひ中古車のチェックをしてみてはいかがでしょう。例によって、人気の旧車ですから高値安定はお約束とはいえ、ワンダーシビックが450万円、トレノハッチバックについては800万円弱という最高値! 荒くなった鼻息を一気に鎮めるには刺激の強い値付けです(笑)。