人生最後にお世話になる「霊柩車」! ド派手な宮型が減少して洋型に軽バンにミニバンにマイクロバスまで多様化していた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■霊柩車について詳しく解説

■霊柩車は道路運送車両法では特種用途自動車に分類されている

■現在は宮型が減って洋型が主流となっている

現在はリムジン型の霊柩車が主流

 人間が、最後に必ずお世話になると思われる車両が霊柩車だ。ご遺体を輸送するための専用車両でたいへん崇高なイメージをもつが、道路運送法の分類では貨物自動車の扱いになる。とはいうものの、一般の荷物と同様に扱えるわけではないので、道路運送車両法では「特種用途自動車」に分類されている。ゆえにご遺体は貨物の扱いになるのだが、ご遺族が同乗することも多いので、運転者は二種免許をもっている場合がほとんどだという。

 昔は葬儀場から墓地(あるいは火葬場)まで、僧侶、親戚など関係者が葬列を組み徒歩で移動していた。その際に、棺を輿、手押し車、駕籠、牛車、馬車などに乗せ、宗教などのしきたりに従ってそのまわりを飾り付けていたのである。

 大正に入ってから、棺の移送手段として自動車(トラック)が使用されるようになっていく。当初は荷台に棺を収めた輿を乗せていたが、次第に屋形風の架装がされるようになって、宮型霊柩車につながったとされている。

 宮型霊柩車は高度成長期からバブル経済期ごろまでは霊柩車の主流であったが、
・街なかの走行には住民の忌避感が強い
・車両価格やメンテナンスコストが高く、葬儀の低価格化が進むなかで事業者の経営を圧迫した
などといった理由から、徐々にその姿が見られなくなってきた。

 これに代わって主流となったのが洋型(リムジン型)である。外見はシンプルであるものの、クラウン、レクサス、センチュリー、アルファードなどといった、高級車をベースにして改造されているために、十分にラグジュアリー感が醸し出されている。もっとも、葬送儀礼は風習が重んじられることが多いために、一部地域では根強く宮型霊柩車が利用されている。そのため、今後も一定の需要は残るのであろう。


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