ダイハツやスズキのホットハッチモデルにも「GT」が存在した
マツダRX-7 GT
1978年にコスモスポーツ以来、2車種目のロータリーエンジン専用車として誕生したRX-7。国産車としてはトヨタ2000GT以来のリトラクタブルヘッドライトを採用し、ひと目でスポーツカーとわかるルックスとそれに恥じない動力性能、そして比較的安価な価格で人気を博した。
初代RX-7のGTグレードは最上級のリミテッドに次ぐグレードとして用意されていたが、1985年に登場した2代目モデルではアルミホイールすら備わらない最廉価グレードとなり、その後のマイナーチェンジで消滅する憂き目にあっている。
ホンダ145クーペ GT
スポーティなクルマを多くリリースしてきたイメージの強いホンダだが、意外にもGTを冠するモデルは少なく、日本ではこの145クーペGTのほか、360cc時代のZなど、1970年代のクルマにわずかに採用されていた。
そんな145クーペは空冷エンジンを搭載していたホンダ1300のマイナーチェンジモデルといった立ち位置のもので、エンジンを1433ccの水冷エンジンに置き換えたことが最大のトピック。車名の145は、このエンジンの排気量が由来となっていた。
GTグレードはクーペモデルのなかでは下から2番目のグレードとなっており、とくにGTカーらしい装備が備わっているというワケではなく、どちらかというと量販グレードという扱いだった。
ダイハツ・シャレード GTti
ダイハツのリッターカーとして登場したシャレード。もともとは経済性の高いモデルとして人気を博していたが、デ・トマソとのコラボモデルがリリースされるなど、スポーティな仕様も人気を集めていた。
そんなシャレードの3代目モデルに設定されたのがGTtiで、1リッターの排気量ながらDOHC12バルブインタークーラーターボで武装したことでリッター100馬力を超える105馬力を発生させ、隠れたホットモデルとして知られる存在となっていた。
1988年2月にはGTtiからGT-XXへと名称を変更するなど、改良を行ったが、4代目シャレードはリッターカーの枠から外れたことでGTを冠するモデルも消滅することとなった。
スズキ・カルタスGT-i
シャレードと同じくリッターカーのカテゴリに1983年に投入されたスズキ・カルタス。排気量はそのままにDOHC化とインタークーラーターボで武装したシャレードに対し、カルタスは1986年6月に1.3リッターエンジンをDOHCとして97馬力を発生させたGT-iをリリースして対抗した。
GT-iは1988年に登場した2代目モデルにも継続設定され、エンジンは自然吸気1.3リッターのまま115馬力まで高められ、800kgという軽量ボディを活かしてモータースポーツでも活躍を見せている。
ただ、GT-iが設定されたのはここまでで、3代目モデルは1.3~1.5リッタークラスの実用ハッチバックとなり、ホットモデルも設定されることはなかったのは残念なところだった。