カーボン製エアロパーツで武装した正真正銘最後のGRスープラは435馬力! 特別仕様車「A90 Final Edition」が超過激だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■GRスープラの集大成となる「A90 Final Edition」が発表された

■同時に標準モデル(3リッター車)も一部改良を受ける

■残念ながらこれらのモデルを最後にGRスープラの生産は終了となる

GRスープラの集大成

 1978年に初代となるセリカスープラ(日本市場ではセリカXX)が登場してから、長きにわたってトヨタのフラッグシップスポーツカーの象徴であったスープラ。現在でも根強いファンを持つA80系の生産が2002年に終了し、一旦その歴史に幕を下ろしたが、17年の時を経て2019年にGRスープラとして蘇ったことは記憶に新しい。

 そのGRスープラは、直列6気筒エンジンにFRレイアウトというスープラの伝統を守りながら、幾度となく改良を施されてきた。そして、その集大成となるモデルが今回発表された。

 その名は、「GRスープラ A90 Final Edition」。台数限定の特別仕様車となり、そして「Final」の名が示す通り、このモデルを最後に現行GRスープラは生産終了となることがアナウンスされている。

 GRスープラが消えてしまうことは残念であるが、A90 Final Editionは、はたしてその最後を飾るにふさわしいスペシャルかつ過激なモデルとなっていた。さっそく、その内容を紹介してゆく。

 まずはエクステリアから見てゆこう。カーボンフロントスポイラー、カーボンフロントカナード、フロントセンターフラップといったエアロパーツが追加され、一見しただけでもただの特別仕様車ではないオーラが漂っている。ボンネットに穿たれたダクトはこちらもカーボン製。脱着式のインナーダクトを採用し、取り外し時には冷却性能向上に寄与する。

 さらに、GRスープラをベースとするレーシングカーのGRスープラ GT4を彷彿させるスワンネック構造のカーボンリヤウイングを装備。前後の空力バランス、ダウンフォース、ドラッグを最適化し、接地性とハンドリング性能を向上したという。

 これらの仰々しいエアロパーツは、決して見かけ倒しではない。先述したレーシングカー、GRスープラ GT4 の開発を担当するTGRヨーロッパが空力性能開発を担当しており、モータースポーツ参戦を通じて得た知見と風洞実験施設を用いたテストを重ねられた末に完成しているのだ。

 まさに、レース直系の技術が詰め込まれたエクステリアとなっているといえるだろう。

 足まわりでは、こちらもGRスープラ GT4 が採用しているKW製のサスペンションを採用した。伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整を備えてさまざまな使用状況に対応したほか、前後スタビライザーを強化することで、限界性能を向上。前後キャンバー角も見直されているという。

 タイヤは、標準モデルより10mm幅広となるフロント265幅/リヤ285幅というファットなサイズを採用。その銘柄は、欧州製スーパーカーにも採用されるMICHELIN PILOT SPORT CUP 2だ。組み合わされる軽量鍛造アルミホイールには、TGRのロゴが刻印される。

 また、brembo製のブレーキは大径化されるだけではなく、フローティング構造のドリルドディスクに、ステンメッシュホースまでも純正で採用した。

 すでに過激すぎるほどの特別装備を紹介してきたが、まだまだ序の口にすぎない。

 インテリアでは、アルカンターラ張りのRECARO製フルバケットシート「Podium CF」がインストール。運転席側だけがレッドとなっているが、これは決して画像加工などではない。GRスープラが目指すドライバーオリエンテッドコクピットを体現するための一環なのだ。

 したがって、センターコンソールやドアトリムなども、ドライバーサイドのみがレッドとなる。ステアリングやインパネなどといった多くの部位も、シートと同じくアルカンターラ張りだ。


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