本格的な圧雪路でもラクラクドライブ
肝心な雪での走行に関しても、最初はかなり身がまえていたが……実際に走ってみるとそのグリップ力の高さに驚いた。
当然アクセルやブレーキ、ステアリング操作に至るまで通常の運転より神経を使っていることに違いはないが(これについてはスタッドレスタイヤでも変わらない)、思わず「オールシーズンタイヤってこんなに普通に走れちゃうんだ!」という声が出てしまうほど。
上りはほぼ圧雪路だったこともあると思うが、道中見かけたスタッドレスを履いて走るクルマとなんら変わらない速度域で走ることができた。一部凍っていた轍では滑るようなシーンもあったが、これに関してもコントロールできないほどではなかった。もちろんドライバーの技量にもよるので、確実に安全を保証するものではないが、雪道を走り慣れている人であれば許容範囲と言えそうだ。
試乗のタイミングでは、完全ドライでの走行は叶わなかったが、じつはこのGEN-3からドライでのハンドリング性能がアップしている点も注目ポイント。今作より、より強いアンダートレッドと強固なショルダーブロックの組み合わせによって、タイヤの変形を低減することで、より機敏なステアリングフィールを実現しているとのことだ。
また、新オールウエザーシリカコンパウンドを採用したことで、耐摩耗性が向上しタイヤのライフも延びているところも嬉しい。雪だけでなくドライ、ウエットでの走行もきちんと考えて作りこまれている。つまり、「ベクター4シーズンズ GEN-3」はオールシーズンタイヤという名前のとおり、”いつでもOK”な万能選手というわけだ。
しかもこのタイヤは、15インチから20インチまで全35サイズの豊富なラインアップを揃えている点も魅力。小型車から大型車まで幅広い車種への対応を可能にしている。また車重が重く、重心も高いSUV専用設計の「ベクターフォーシーズンズ GEN-3 SUV」まで展開されている。
実用性や経済性を考えてもバランスが取れていると感じた「ベクター4シーズンズ GEN-3」。最近では季節の境目がわかりにくくなり、ますます冬用タイヤへの交換時期がわからなくなってきている。交換時期、保管場所などに頭を悩ませているユーザーにこそ、この冬にオールシーズンタイヤを選択するのはおおいにアリだ。