多数エントリーの人気モデルのなかでも個性的な2台
じつは、今回のミーティングにおいてダントツで参加台数が多かった車種は、現行モデルも大人気のセレナとノート。というわけで、ここからはその2車種にお乗りのオーナーさんの愛車をそれぞれ1台ずつ紹介してゆく。
セナさん:セレナ e-POWER AUTECH
まずは、昨年デビューしたばかりの現行C29セレナ e-POWER AUTECHにお乗りのセナさんの一台。
さまざまなカスタムが施されたセレナが所狭しと並ぶなか、セナさんのセレナは一見しただけではノーマルと言われても納得してしまいそうな落ち着いた佇まいかもしれない。だが、このセレナ、じつはビックリするほどのこだわりが詰まった一台なのである。早速紹介してゆこう。
注目はなんといってもその足もと。AUTECHならではとなる、エアロパーツに加えられたシルバーの加飾に合わせた高輝度塗装の18インチアルミホイールは、大径ながらもどこか上品で純正のような佇まい。このデザインにどこかで見覚えがあるという方はなかなかの日産党だ。
そう、このホイールはZ34型フェアレディZの純正アルミホイールなのである。セナさんはこのセレナの他にZ32型フェアレディZも保有しており、もともとはそのZのためにホイールを購入。だが、Zへのフィッティングに問題が生じたことから、セレナに付けてみた……という経緯だそう。
また、「AUTECH」のロゴが入ったホイールのセンターキャップはお手製なんだとか! クルマの雰囲気に合っているだけではなく、小技も光るセンス抜群のフィットメントだ。
小技は足もとだけにとどまらない。純正オプションでは派手すぎたというこれまた自作のアンビエントライトが車内外に目立たないようあしらわれるほか、リヤガラス5面にスモークフィルムを施工。セレナのスリークなデザインをいっそう引き立てている。
派手すぎないものの、蓋を開ければ手が込んだカスタムで、セレナ AUTECHが元来もつスタイルの魅力を120%引き出しているセナさんのセレナ。聞けばセナさんは、これまでもパルサー、サニーなどを乗り継いできた生粋の日産党。純正パーツを活かしたカスタムも朝飯前なのかもしれない。
take.tさん:ノート NISMO S
最後は、こちらも人気車種のノート NISMOをピックアップ。先代となるE12型ノートのホットモデル、1.6リッターの直列4気筒エンジンに5速MTを組み合わせたノート NISMO Sに乗るtake.tさんの一台を紹介する。
使い込まれた牽引フックやマッドフラップが、ただのカスタムカーではないことを物語るtake.tさんのノート NISMO S。それもそのはず、このクルマはダートトライアルを舞台に戦う現役の競技車両なのだ。
ダートトライアルとは、未舗装路面=土の上のコースを走りタイムを競うモータースポーツ。ラリーのグラベルセクションを想像すると近しいかもしれない。激しい土煙を上げながら、ときには時速100kmを超える速度でダート上をマシンが滑走する姿は大迫力だ。
車内には、万が一(百が一くらいか?)の横転に備えてロールバーが張り巡らされる。撤去されたカーペット、競技用に変更されたステアリングも相まって非常にスパルタンな雰囲気だ。
また、ダートトライアルでほぼ必須となる、下まわり保護のためのアンダーガードをはじめとした競技専用部品はほぼワンオフだという。このように参加型モータースポーツに本格的に参戦しているクルマがあるということは、NISMO車両のポテンシャルを示しているといっても差し支えないだろう。
take.tさんは、神奈川県で行われるダートトライアル競技の運営メンバーとも関わりがあるそう。2025年度の「神奈川県戦」は5月よりスタート、練習会は4月からとなり、練習では迫力の走行を助手席から味わえる同乗走行の企画も予定しているため、ぜひ多くの方に来てほしいとのコメントをいただいた。
まだまだ紹介したいオーナーカーは数多いのだが、ページの都合上ここまでとさせていただく。今回紹介できなかったクルマも含めて、会場に並んでいたのはオーナーさんの熱意とこだわりが詰まったクルマばかりだった。
オーテック里帰りミーティングは次年度以降もきっと開催されるはずなので、興味を持ってくれた方はぜひとも足を運んでみてほしい。日産車オーナーでなくとも、きっと楽しめるはずだ。