V8エンジン7基搭載の魔改造トラクターって地球の底まで耕す気か! 重いものを引っ張る競技「トラクタープリング」がこれぞアメリカだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■農耕道具というイメージのトラクターだがアメリカでは競技が行われている

■参戦トラクターはチューニングを重ねられて原型を留めていないものも多い

■唯一無二の大迫力が魅力のモータースポーツだった

原型を留めていない魔改造トラクターが爆走!

 トラクターといえば、畑を耕したりするのどかな光景を思い浮かべがち。ですが、トラクター・プリングという豪快な競技を見たら、そのイメージはなにかでっかいケモノが猛り狂っているものへと一変するかもしれません。とにかく、V8エンジン3基載せとか、タービンエンジン2丁がけなどと魔改造され、もはやトラクターのスタイルをなしていないマシンが疾走する姿は一見の価値あり。モータースポーツの本質的な魅力を感じることができるのです。

 トラクター・プリング、直訳すればトラクターによる引っ張りということですが、そもそもは農耕馬による引っ張り競技を発祥とするものでした。その昔は「オラが馬っこが村一番の力持ちだっぺ」「いんや、ワシのアオ(馬の名前)が一等だ」みたいなことから、農耕馬に丸太や重しを載せたそりなんかを引っ張らせたわけです。時代が下り、農家にトラクターが普及すると、馬からトラクターへと変わっていったのも当然のことかと。ちなみに、この競技が馬力=ホースパワーの所以となったと唱える歴史家もいるようです。

 そして、1969年になるとアメリカでは各地でまちまちだったルールを全米規格に統一する動きがあり、同時に競技団体「全米トラクタープーラー協会 (NTPA)」が設立され、「日曜日に引っ張って、月曜日に耕す」というモットーを掲げ、現在まで活動し続けています。

 なんでもかんでも競技にしてしまうアメリカらしいものですが、実際はヨーロッパ各国をはじめ、オーストラリアなどでも似たような競技、団体が活動中とのこと。ちなみに、日本はばんえい競馬でいまも強力な農耕馬によるそり引きレースが行われていますけどね(笑)。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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