ルクラはタントエグゼよりも装備が充実
OEM元のタントエグゼとの差異であるが、タントエグゼでは一部オプションになる装備を標準装備しており、女性に嬉しい装備も満載となる点が挙げられる。室内の驚くほどの広さはもちろん、前記のLED照明付きオーバーヘッドコンソール、センターフロアコンソール、カスタムの室内ブルーイルミネーション、キーレスアクセス&プッシュスタート、オートエアコン、電動格納式サイドミラー、ドアミラーウインカー、ディスチャージヘッドライトなどの上級装備(一部グレード別)による豪華さも、所有欲を満たすルクラの大きなセールスポイントだったのである。
標準車とカスタムの2モデル展開とし、2WDと4WDを用意するのはタントエグゼと同様だ。
※画像は2代目ダイハツ・タントエグゼのLED照明
パワーユニットはルクラがNAエンジンのみ、ルクラカスタムはNAエンジンとターボエンジンが用意されていた。
なお、2010年4月の発売から数カ月後の10月に早くも一部改良が施され、それまで4WD車は4速ATだったミッションが全車CVTとなり、4WD車もエコカー減税に適合することになった。
スーパーハイト系軽自動車の広大な室内空間は魅力的だけど、スライドドアだと「子育て世代御用達カーみたいで嫌だな……」というユーザーに、まさにジャストな選択だったのが、タントエグゼと、このOEM車のルクラだったというわけだ。もっとも、そう思っているユーザーはそれほど多くはなかったのだが。
なお、2015年5月にダイハツのタントエグゼが販売終了したことで、こちらも販売を終えている。後継車はスバル・シフォン(3代目タントのOEM車で両側スライドドアのスーパーハイト系軽自動車)となった。
では、走ってみるとどうだったかだが、タントの両側スライドドアモデルに対してリヤヒンジ式ドアによる約60kgの軽量化が効いて、NAエンジンでもそれほど非力感なし。結果、加速時にエンジンを高回転まで使うシーンが減り、車内の静粛性にも貢献。タントエグゼで採用した遮音材などの防音対策も効いているはずである。
NAエンジン搭載車はもちろん街乗りで光るクルマだが、ターボモデルを含め、タントより重心が低くなったことで走りの腰高感が減少し操縦安定性もUP。それに伴い、転倒防止のために足まわりを固める必要がなくなり、乗り心地面でも優位。ダイハツ車でいえば、ハイトワゴンのムーブに近いドライブフィールだったと記憶する。
※画像はダイハツ・タントエグゼの走行写真
いわば小さな高級車として開発されたのが、ダイハツ・タントエグゼ、そしてスバル・ルクラだったのだが、キャラクターのルクラッコや、「広くてビックラ! ルクラ!」というキャッチフレーズとの親和性は、いま思えばちょっと疑問が残ったりしないでもない……。