「止まるの?」「行っていいの?」挙動不審なクルマが多数! 「軽車両用信号」はクルマが従う必要のない信号だった

この記事をまとめると

■軽車両用信号というものが所々に設置されている

■あくまで軽車両が対象なのでクルマが従う必要はない

■対象の信号機には標識などが備わっているので見逃さないようにするのが大切だ

軽車両用ってつまり何用?

 信号機のなかには、「軽車両用」の信号があります。この軽車両用信号は、車道に設置されている青・黄・赤の信号機であるため、クルマ用と思ってしまう方が多くいるようです。この記事では、軽車両用信号が赤のとき、クルマは進んでもよいのかを解説します。

「軽車両用」の信号機は軽車両のみが対象

 まず、車道で見かけることがある「軽車両用」の信号は、軽車両のみを対象とした信号機となります。そのため、軽車両用信号が赤のとき、クルマは進んでも問題ありません。いい方を変えると、クルマは軽車両用の信号に従わなくてよいということになります。

 では、軽車両とはどのような車両のことなのでしょうか。道路交通法には次のように定義されています。

【軽車両(道路交通法第2条の11)】

・自転車、荷車その他人もしくは動物の力により、または他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含み、小児用の車(小児が用いる小型の車であって、歩きながら用いるもの以外のものをいう。次号及び第三項第一号において同じ)を除く)

・原動機を用い、かつ、レールまたは架線によらないで運転する車であって、車体の大きさおよび構造を勘案して上記に準ずるものとして内閣府令で定めるもの

(道路交通法第2条「定義」より一部抜粋)

 つまり、自転車、荷車、そり、牛馬、小児用のクルマなどが軽車両となります。そのため、現実的にいうと、軽車両用信号は主に自転車を対象とした信号になるといえます。

見かけることは少ないが覚えておきたい「軽車両用」の信号機

 軽車両用の信号は車道に設置されており、クルマ用の信号と同じ「青・黄・赤」の信号機です。そのため、クルマを含む全車両が対象だと勘違いしてしまう人も多いようです。

 その信号機がクルマを含む全車両を対象としているのか、軽車両を対象とした軽車両用なのかというのは、信号機と並んで設置されている標識で判断する必要があります。そのため、信号機と並んでいる標識を見落とさないようにすることが勘違いしないためのポイントです。なお、軽車両用信号の標識は「軽車両用」や「軽車両用信号」と表記されています。

 信号機を確認する際は、信号の色だけでなく、並んで設置されている標識もあわせて確認するようにしましょう。

信号機とともに標識などを見ることが大切

 軽車両用の信号の数は多くないものの、場所によっては頻繁に見かけることがあります。

 外出したときや遠出したときに間違えたり勘違いしたりしないようにするためにも、「軽車両用」信号があること、軽車両用信号は軽車両のみ対象としていること、クルマは軽車両用信号に従う必要がないことを覚えておくとよいでしょう。

 判断ミスや勘違いによって事故を起こしたり、事故を誘発したりしないようにするためにも、正しい知識を持ち、正確な判断をしながら運転することが交通の安全を確保することに繋がります。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

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