WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

繋ぎ方を間違えるとショートからの大事故に! 簡単だけど注意が必要なバッテリー上がりのクルマの救援

繋ぎ方を間違えるとショートからの大事故に! 簡単だけど注意が必要なバッテリー上がりのクルマの救援

この記事をまとめると

■ブースターケーブルを使用する際には注意点がある

■ブースターケーブルにはつなげる順番が存在する

■バッテリーの状態を判断するためにもスターターモーターの回り方に注意したい

ブースターケーブルのつなぎ方には順番がある

 出かけようと思いクルマのスターターモーターを起動……。ブルンと回り出すはずのエンジンが、ピクリとも動かない。しまった、バッテリーを上げてしまった、と気付いてもあとの祭り。最近のクルマではシステム上は起こらないようになっているが、電装品のスイッチを入れたまま長時間クルマを離れたとか、それともバッテリーが寿命に近づいていたにもかかわらず、何もせずそのまま放置しておいたためなのか、いずれにしてもバッテリーに蓄えられた電力はほぼゼロ。困った、エンジンをかけることができない……。

 こんなとき、緊急始動用としてバッテリーのブースターケーブルを使うことがある。よく知られているのが、他車の元気なバッテリーから電気をわけてもらう方法で、先方のバッテリーのプラスとこちら(救援される)のバッテリーのプラス端子同士、同じようにマイナス端子同士をつないで電気の流れる回路を作る方法だ。

 もっとも、救援される側のバッテリー容量がほぼゼロ(電圧の大幅低下状態、過放電状態)になってしまうと、ブースターケーブルをつないで電気をわけてもらっても、なかなかスターターモーターが回らずエンジンが始動しない場合もあるが、ついうっかりの過放電程度であれば、ブースターケーブルをつなげば、ほとんどの場合、エンジンをかけることができる。

 ところで、このブースターケーブルをつなぐ際には注意点がいくつかある。互いのプラス端子同士、マイナス端子同士をつなぐだけでよい、というのは少し短絡的だ。もちろん、プラス端子とマイナス端子をつないでしまうのは大きな間違いで、ショートを起こして大事故となるだけに、この点だけは常に頭に入れておいてほしい。

 細かな注意点はいくつかあるが、以下の基本手順を守れば問題ない。それは、ブースターケーブルのつなぎ方の順序だ。

 まず、救援される側(容量の低下したバッテリー)のプラス端子にプラス用ケーブル(赤色)の赤クリップを、そしてもう一方の赤クリップを救援する側(元気なバッテリー)のプラス端子につないでプラス用ケーブルの接続を先に行う。

 次がマイナス用ケーブル(黒色)の接続で、この場合は先に救援する側(元気なバッテリー)のマイナス端子につなぎ、最後にもう一方の側を救援される側(容量の低下したバッテリー)につないで接続作業は完了となる。そのあとは、救援する側のエンジン回転を少し高め(1500〜2000回転ぐらいでOK)に保ってから、救援される側のスターターモーターを回せばよい。

 エンジンがかかったら、ブースターケーブルは外してもかまわないが、できれば救援された側のエンジン回転が落ち着くまで(2〜3分)、用心のためつないでおいたほうがよいかもしれない。ちなみに、はずし方は、つないだ時の逆順序となり、まず、救援された側のマイナス端子、次に救援した側のマイナス端子、そして救援した側のプラス端子、最後に救援された側のプラス端子を外せば作業は完了。

 ちなみに、電気はプラス端子からマイナス端子に流れて回路が成立するので、プラス端子同士をつないだだけでは相手に電気を伝えることはできない。バッテリーは、気温が下がると容量が低下する。大丈夫と思っていても、気温が下がった朝方にスターターモーターが回りにくい、あるいは回らなくなったということも往々にしてある。少し長目に使ったバッテリーで不安を感じたら、取り外して充電器につなぎフル充電をしておく、という予防策もある。

 また、バッテリーの寿命は、あるようでないといってもよい。ただ、ひとつの目安として、スターターモーターの回り方で判断する方法がある。スターターモーターは大きな電力を使うため、容量の低下したバッテリーでは回りにくくなる。回り方に元気がないと思ったら、バッテリーの状態を疑ってみよう。他車がいて、ブースターケーブルで救援できるケースはまだよいが、誰もいない場合は途方に暮れることになる。JAFの救援サービスに頼るのは最後の手段と考えておこう。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了