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いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か (1/2ページ)

いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か

この記事をまとめると

■働き手不足が目立つバス業界では「連節バス」の導入が全国で散見される

■東日本では中型二種で運転できる中型路線バスの導入も目立っている

■より狭い範囲で活動できる融通が利きやすい「オンデマンドバス」が注目されている

日本中でバスドライバーが足りない!

 利用者減少に歯止めがきかないなか、運転士不足も深刻化する一方のバス業界では、路線バスについては路線廃止や減便が相変わらず目立っている。ただ、利用者の減少が続いているとはいえ、一部では運転士不足のなか効率的な輸送力の確保という意味で、「連節バス(蛇腹部分を介して車体がつながっている車両)を導入して問題解決をした」という路線も全国で散見されている。沿線に学校や工場などが存在し、とくに朝夕の通勤時間帯が混みあう路線というものも少なからず存在しており、そういったエリアで効力を発揮しているようだ。

「それこそ昔の地方大学では学生ですら、クルマでの通学が当たり前でした。しかし、令和のいまでは運転免許を持たない学生も目立つようで、バス通学が増えており、今後もこの傾向が続くものと思われます」とは事情通。

 一方で企業はSDGs(持続可能な開発目標)なども意識し、自動車通勤の削減を進める動きも出ている。また、地方部では相変わらず朝夕の主要幹線道路の交通渋滞は深刻なものとなっており、渋滞緩和の意味から地元自治体もバス利用促進を求めているという。

 連節バスはいすゞと日野の合弁会社「Jバス」が、国産連節バスを発売したのをきっかけに、大量輸送の切り札として全国的に急速な広がりを見せた。それまでは、繁忙時間帯には2台など、複数台数を連続運行するなどして対応していたのだが、この手段は運転士不足のなかではかなり負担増となり、運転士ひとりで2台分の輸送力のある連節バスに白羽の矢が立ったのが背景にある。

 ただ、これは未確認情報だが国産連節バスは事実上終売しているとの情報も筆者のもとには入っている。また、生産の都合以外に、予算的にも連節バスの導入ができないといった事業者は、一般的な大型路線バスの全長より長い車両の導入を進めているとも聞いている。

「連節がダメならダブルデッカー(2階建て)があるのでは」との話もあるが、日本では全高の規制もあり、1階、2階とも車内高が低くなってしまうという課題がある。イギリス・ロンドン市内や香港のダブルデッカーは世界的に有名な話であるし、筆者はかつて中国北京市内でBEV(バッテリー電気自動車)となるダブルデッカー路線バスに実際に乗ったことがある。

 アメリカ・ネバダ州ラスベガスでもダブルデッカー路線バスが運行しておりよく利用するのだが、課題としてはバス停での乗降に時間を要することが挙げられる。繁忙時間帯ではクルマでは30分弱で移動できる距離でも、乗り降りの都合などが影響し、ダブルデッカー路線バスでは1時間弱ほどかかっている。

 仮に日本でも導入を検討するならば、鉄道で「通勤快速」などと呼ばれるような、主要バス停しか停まらない車両として運行するのが適当かもしれない。ただ、天井が低いので立ったまま乗車するということへの課題というものも出てくるので、極端に混みあう路線には不向きかもしれない。

 また、先ほどまで述べてきたような、連節やダブルデッカーバスを入れたほうがいいといえるような、いわゆる「ドル箱路線」の存在は、現在では非常に限定的といえるだろう。たいていの路線バスにいえることだが、日中時間帯では大型路線バスは座席に座る人もまばらななか運行されていることがほとんどであると認識している。そのため、乗車口と降車口をもつバスでもいまでは前扉のみで乗降兼ねて運行していることも珍しくない。

 さらに、東日本でより顕著ともいわれているのが、中型路線バス車両の導入が目立ってきていることである。単純に利用者が少ないといった理由だけではなく、大型二種ではなく中型二種で運転できるので、運転士募集の敷居が低くなるということもあるようだ。また、運転士としても大型車両よりは運行時の負担も軽くなると、現場での評判は上々となっているようだ。

 中長期的に見れば、バス車両のダウンサイジングは進んでいくのは間違いなく、中古バス市場での中型路線バス車両はまさに「奪い合い」になっているともいえるほど人気が高いとも聞いている。

 路線バスとしてだけではなく、最寄り駅とを結ぶ企業送迎用などのニーズも中型バス車両人気を招いているようで、いまではそれがマイクロバスにもその流れが波及している。

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