過去20年で最多となる405台が湘南に帰ってきた! 「オーテック里帰りミーティング2024」が開催 (2/2ページ)

会場中に魅力が盛りだくさん

 ステージだけが見どころというわけではない。たとえば、会場内に並べられたユーザーカーは、個性的なカスタマイズを施しているものが多く、それらを眺めながら散策しているだけでも楽しい。

 また、希少なNISMO/オーテックのコンプリートカーが平然と複数台並んでいたりするのもこのイベントの面白いところだ。ひとつ例を挙げれば、30台限定販売のマーチボレロ A30はなんと8台も参加! それ以外にも街で見かけたらあっと声をあげるような激レアなクルマが見渡す限りそこいら中に置いてあり、なんだかクラクラしてしまいそうだった。

 NMCや協賛企業のブースも注目トピックが盛りだくさんだ。

 ステージ付近では、NISMO 40周年を記念してコンプリートカーを展示。並べられたのは、生産わずか30台、S14型シルビアベースの超貴重な「ニスモ 270R」と、ベース車とはまったく別物の内容を与えられ、Z史上最高のモデルと名高い「フェアレディZ バージョンNISMO Type 380RS」。熱心なNISMOファンのみならず、クルマ好きなら垂涎必至の2台だ。

 NISMOからはNISSAN Z GT4のホワイトボディも展示。フェアレディZ NISMOをベースとして、盛り上がりを見せるFIA GT4カテゴリー向けに制作され、スーパー耐久やGT4アメリカなどにすでに参戦しているマシンとなる。

 今回はそのホワイトボディが展示ということで、普段は見ることのできないレーシングカーの骨格に釘付けとなるファンが多く見られた。

 また、オーテックが出展した、イベント参加の記念品にもなるメダル作りを楽しめるモノづくり体験ブースや、会場限定の商品も用意したグッズ販売ブースは大人気で、長蛇の列が。

 屋内には天然もみの木リースを作れるワークショップコーナーも設置されるなど、家族連れのオーナーのために奥さま・お子さまが楽しめるコーナーが用意されているのも嬉しい。これなら、パパが家族そっちのけでクルマに夢中になっても大丈夫だ(ほどほどに!)。

 そのほか、協賛企業も数多く出展しており、商品の展示だけでなく物販やでデモカー展示を行うブースもあった。

 ステージでは、3人のスペシャルゲストによるトークショーが今年も大人気。12月に延期された鈴鹿 GT300kmレースでシーズン最終戦を迎える2024年シーズンのSUPER GTの振り返りをメインに、ときには脱線しながら(?)和気藹々としたトークが繰り広げられた。

 そして、本年度初の試みとして、NMCで車両開発に関わっている現役エンジニアによるトークショーも行われた。日産自動車でシャシー実験を主に担当し、2013年にオーテックに移籍してからはカスタマイズ開発実験部に所属する髙澤 仁氏と、オーテックで実験担当を行ったのち、2002年にNISMOに移籍してからはスーパーGTマシンや市販車のエンジン開発や、近年ではNISMOロードカーの開発全般に携わっているカスタマイズプロジェクト統括部所属の成富健一郎氏が登壇した。

 オーテックとNISMOの各ブランドの走りの違いという話題からスタートしたトークは、タイヤを選ぶ際に重視する特性やサスペンションのセッティングの決めかた、しまいには構造用接着剤の硬度が……といったおそろしくマニアックな話に突入していく。自動車メディアに携わる者としては面白くていくらでも聴いていられるが、オーナーの皆さんはあまりのマニアックさに置いていかれてはいないだろうか……と一抹の不安を覚えたものの、その心配は杞憂で、皆さん熱心に耳を傾けていた。

 というわけで、内容が興味深いというだけでなく、エンジニアの方はもちろん、参加者の方の強いクルマ愛をもトークショーを通じて感じることができた。

 そんなこんなで、気がつけば閉会式の時間に。

 スペシャルゲストの3名が今回の里帰りミーティングの感想をそれぞれ口にしたのち、恒例のじゃんけん大会を実施。ゲストたちとのじゃんけんに勝利すると、12月1日に富士スピードウェイにて開催される「NISMO Festival」のチケットがもらえるということで、会場は最後まで大きく盛り上がっていた。

 閉会式を終えると、毎年定番となっているAUTECHの「A」ポーズをとって、出展者を含んだ集合写真を撮影し、イベントは幕を閉じた。

 開会式・閉会式や、豪華なトークショーといった見どころを中心にレポートしてきたが、じつはこのオーテック里帰りミーティングを通してもっとも印象に残ったのは、良い意味でゆるっとした全体の雰囲気だった。

 ステージで催しが行われる際はそこに参加者が集まるものの、それ以外の時間は参加者同士でコミニュケーションをとったり、出展ブースに立ち寄ったり、ケータリングの食事に舌鼓を打ったり、ときには昼寝をしてみたり……と、皆さん思い思いの過ごし方を楽しんでいて、それもこのイベントの大きな魅力のひとつなのではないだろうか。また、メーカー主催のためトラブルが起こりにくいという点からも、ミーティング初心者の方にもうってつけではないかと思う。NISMO/オーテック架装車両をお持ちの方は、ぜひとも次年度参加してみてほしい。

 個性豊かなオーナーカーの数々は、また別の記事にて紹介させていただこう。


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