【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!! (2/2ページ)

軽自動車の不調傾向は否めない

 一方、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)発表による、軽四輪乗用車の販売台数は10万6203台(前年比88.6%)と登録乗用車に比べると不調傾向が目立っている。ブランド別にみると、スズキが前年比100%以上となっているものの、ほかのブランドは前年を下まわっていた。なかでもダイハツが75.3%、ホンダが73.9%と不調傾向がより目立っていた。ダイハツは一連の認証問題の影響がいまだに尾を引いていることはまず否定できないだろう。

 さらに、2024年春に全面的に供給再開して以降、中古車専業店にはダイハツ軽自動車(商用車も含む)の、届け出済み未使用軽中古車が店頭に溢れている。とくに展示の目立つ、ムーヴ・キャンバスではそれほど広くない敷地の中古車専業店でも色違いでかなりの台数が常時といっていいぐらい展示されている。

 ロシアでは世界各地から輸入される「輸入中古車」の販売台数が多く、新車販売台数への影響(なかなか売れない)が出ているというが(ウクライナ紛争前の話)、ダイハツ軽自動車ではほかのブランドに比べても、届け出済み未使用軽中古車の流通台数が多く見受けられるので、ロシアの例にならえば、ダイハツも新車を選ばずに、消費者の多くが届け出済み未使用中古車を選ぶことで不調傾向が目立っているのかもしれない。

 ホンダについては2023年10月に現行N-BOXが正式発売されている。ただそのような状況でも、ナンバープレートのついていない先代型(2代目)の在庫が目立っており、小売り(一般消費者への販売)に加え、ナンバーを自社(ディーラー名義などで)名義で届け出をしてナンバープレートだけを装着する、先代型の自社届け出も加わる。

 ホンダN-BOXは、2023年10月単月だけで、半期決算月である2023年9月を超える2万2943台を販売し、ホンダの軽四輪乗用車全体でも3万327台を販売(ホンダ軽四輪乗用車におけるN-BOX比率は約75.6%)しており、2024年10月単月を2023年10月と単純比較すると、不調傾向を際立たせてしまっているようである。

 軽四輪総台数、軽四輪乗用車それぞれの販売台数ではスズキがダイハツを押さえて軽自動車販売トップとなっている(軽四輪商用車はダイハツがトップ)。2024年1月から10月までの累計販売台数でもこの傾向に変化はない。

 ただ、軽四輪総台数での2024年1月から10月までの累計販売台数を比較すると、トップスズキと2位ダイハツの差は約22万台まで開いており、2024暦年(2024年1月から12月)締め年間新車販売台数での軽自動車販売ナンバー1はスズキでほぼ決定といっていい状態であるし、2024事業年度(2024年4月から2024年3月)締め年間新車販売台数でもスズキのトップはほぼ確実といってもいいかもしれない。

 むしろスズキとダイハツのトップ争いではなく、ホンダとダイハツの2位争いのほうに注目してもらいたい。気が付くと2024年1月から10月の軽四輪乗用車の累計新車販売台数では、ダイハツは3位に転落しホンダが2位となっている。

 軽四輪総台数でみるとダイハツが3万7267台の差をつけ2位となっている。2024暦年締め年間販売台数ではダイハツは2位に落ち着きそうだが、今後ダイハツとホンダの2位争いというものが継続していくのかは注目に値するといえよう。

 消費者マインドとしてはダイハツへのネガティブイメージはかなり薄らいでいるように見えるのだが、届け出済み未使用軽中古車が多く、割安な価格設定もあるのでそちらへ流れやすくなっており、足を引っ張っているのがジャブのようにきいているように見える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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