新車セールスマンの言いなり契約はダメ! 常識みたいに言われてる「残価設定ローン+メンテナンスパック」は誰でもお得ってワケじゃない (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新車を残価設定ローンで購入する人が増えている

■残価設定ローンではクルマの使用条件が決められているので合わないユーザーも多い

■「メンテナンスパック」も人気のプランだがクルマにあまり乗らない人が選ぶ傾向にある

残価設定ローンをオススメできない人とは

 いまどきの新車の購入方法として残価設定ローンの認知がかなり広まっている。「リース型ローン」などとも呼ばれた残価設定ローンは、設定した残価率に基づき3年後や5年後の残価を設定し、その残価分を支払最終回分として据え置くことで月々の支払い負担が軽くなるというもの。そもそもの導入背景としては、新車販売支援を目的としており、さらに初回車検や2回目車検といった比較的短いサイクルでの乗り換えを繰り返してもらうことを前提としている。

 支払最終回には当該車両の返却で残債を精算することを原則としているが、現金で最終回分を支払うことで所有権を自分のものとして乗り続けたり、残債分について再ローンを組むことも可能となっている。

 このプランでは、3年もしくは5年後に車両が引き取られることになるので、3年落ちや5年落ちでどの程度中古車市場に流通するのかというのが読みやすくなり、中古車相場のコントロールもしやすくなる。相場維持に配慮して残価設定ローンを組む際には月間走行距離が決められ、規定走行距離を超えたり、内外装の傷や汚れが一定程度以上のものとなったときには追加料金を取ることになっており、一定のクオリティ維持も可能な点が光る。

 こうなってくると、まず遠距離出張などでも使うことが多い人などでは過走行車両となる可能性が高いので、残価設定ローンは不向きといえる。また、現役子育て世代でも、子どもの人数が多かったりすると内装の汚れが激しくなり、追い金発生のリスクが高まるといえよう。さらに、当たり前の話だが、そもそも10年スパンなど長期保有を前提としている人にも短期間で乗り換えてもらうことを狙っているので、そんな人には残価設定ローンは不向きといえるだろう。

「月間走行距離や、内外装の状態次第では追加の支払いが発生することもあると残価設定ローンを組むときに説明を受けると、それだけで抑止効果が働き、車両の程度が保たれることにもつながりやすいようです」とは事情通。

 セールスマンにしても、売りやすいからといって誰にでも残価設定ローンを勧めることはしない。商談のなかでクルマの使い方を聞くなどして、残価設定ローンを組むのにはリスクが高いと判断すると、別の支払い方法を探るようにしているようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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