この記事をまとめると
■日本ミシュランタイヤが群馬県太田市に本社を移転してから約1年が経過
■本社移転1周年の進化を発表
■本社移転の象徴である新社屋「PARK棟」もお披露目された
「群馬から世界へ」の実現を目指す日本ミシュランタイヤ
売上高で世界第一位のタイヤメーカーとして知られるミシュランタイヤ。そして、世界170以上の国でタイヤを供給している同社の三大開発拠点といわれているのが、フランス、アメリカ、そして日本の太田市だ。同市は、日本でミシュランタイヤを展開している日本ミシュランタイヤの本社があることでも知られている。
しかし、日本ミシュランタイヤが群馬県太田市に本社を構えたのは、わずか1年ほど前のこと。日本ミシュランタイヤの須藤 元代表取締役社長が、「この地にミシュランの知恵と経験を集結させて、群馬からイノベーションを起こしていきたい」と抱負を述べてから約1年が経過し、あらためて本社移転1周年の進化を発表した。
「人・利益・地球の価値創造のもと、社員が会社の未来に積極的に関与する意識が生まれ、自分たちの働き方を決定してきました。VUCAの時代に、レジリエンスのある組織では、社員同士がより多くの交流の機会を持ち、集合知を生むことが成功の鍵といわれます。風通しのいい意見交換が可能な空間を実現するために、新社屋『PARK棟』を建設しました。地域のボランティア活動や志を共にする産官学の皆様との連携を密にし、群馬から世界へ、モビリティへの貢献を続けます」と前出の須藤社長は語る。
とはいえ、これは経営者たる須藤社長の、外部に向けたリップサービスに過ぎないと考える人もいるかも知れない。そんな人には、日本ミシュランタイヤが独自に自社社員に行った満足度調査の結果の一例を示しておきたい。
Q:以前の働き方と比較し、本社移転を実現した現状にどの程度満足していますか?
A:非常に満足13%、満足65%、不満17%、非常に不満5%
Q:勤務形態が部署・個人に任される働き方に満足していますか?
A:非常に満足31%、満足61%、不満7%、非常に不満1%
Q:今後の本社オフィスの進化への期待値はどれくらいですか?
A:非常に満足24%、満足51%、不満22%、非常に不満3%
これら独自調査からは、日本ミシュランタイヤの社員のおおむね80%が、本社を移転したことを好意的に捉え、これからも職場環境がよくなっていくと考えていることがよくわかる。そしてこのような社員の意識が、日本ミシュランタイヤが唱える「従業員が信頼され働く場所・時間を自由にデザインする権限を与えられ、その結果、自主的積極的に働き最善の仕事をする」というABW(ACTIVITY BASED WORKING)へと繋がるのだという。
そして今回、日本ミシュランタイヤは本社移転の象徴でもある新社屋「PARK棟」をお披露目した。PARK棟は、1階370平方メートル、2階230平方メートルの建築コンテナと鉄筋を使ったハイブリッド構造で、吹き抜けの構造や螺旋階段、オープンデッキなどの開放感あふれた多目的スペース。社員であれば業務や休憩など、さまざまな目的で自由に使用することができる。
新社屋の名称である「PARK」は社員の公募から選ばれたものであり、そこには「つながる」「出会う」「ひらめく」という新社屋のテーマを象徴するワードとしてふさわしいとして選定された。
外装に関しては、もともとはミシュランのコーポレートカラーであるブルーやイエローとなる予定であったというが、今後、いつまでも色褪せることがないようにという社員の想いから、未来永劫感を演出するシルバーで仕上げられることになったというエピソードも明かされた。
今回、本社移転1周年の成果の発表と、その象徴である新社屋「PARK棟」を公開することで、これまで以上に日本ミシュランタイヤがワンチームとなったことがはっきりと示された。より強固な団結力で結ばれた日本ミシュランタイヤは、「すべてを持続可能に」という信念のもとに、変化に強い組織として進化し、そして我々によりクオリティの高い商品を提供してくれることだろう。日本ミシュランタイヤの未来に期待したい。