ニスモ40周年・トムス50周年・モデューロ30周年と2024年はワークスの周年祭り! クルマ好きのハートに火を灯し続ける3ブランドヒストリー!! (2/2ページ)

レースの世界で大活躍!

●トムス

 続いてはトムス。スーパーGTでは2006年、2008年、2009年、2017年、2019年、2021年、2023年とチームチャンピオンを獲得し、2024年シーズンも第8戦終了時点でランキングトップの名門チーム。

 マカオグランプリギアレースで総合優勝したトヨタのワークスドライバー舘 信秀と、オイルショックの影響でトヨタのワークスチームが解散したあと、トヨタ系ディーラーのスポーツコーナー責任者だった大岩湛矣が1974年に共同で設立した会社。

「TOM’S」のネーミングは、舘のT、大岩のOとMS=モータースポーツを組み合わせたのが由来。

 当初は、GCマスターズから参戦開始。1982年にトムスとしての初のグループCカー(トムスセリカC)でWEC出場5位入賞。1985年にはル・マン24時間レースに初出場し、1987年からトヨタ・チーム・トムスの名称でトヨタのセミワークスとして活動をはじめる。

 その後、ル・マンでは1992年に2位に入賞。

 また、フォーミュラカーでは、F3で過去9回のドライバーズタイトルを獲得。エンジンチューナーだけではなく、トムスGBで開発したオリジナルシャシーの販売も行い、一世を風靡した。

 フォーミュラニッポンでも2回、スーパーフォーミュラでも4回のドライバーズタイトルを決めていて、名実ともにレース界の名門チームで、トヨタ系最強の実績を誇るのがトムスだ。

 また、かつては20系ソアラ、70系スープラのコンプリートカー「C5ソアラ」「C5スープラ」を発表したり、ライトウェイトコンプリートカー「T101」「T082」「T020」、200台限定の「VA300TOM’S」、「アルテッツァ280T」(100台限定)を発売したこともあり、レクサス用カスタマイズパーツの開発、販売も手がけている。

 ドライバー育成にも定評があり、高木虎之介、中嶋一貴、大嶋和也、山下健太などが、トムスで育ったトップドライバー。

 歴史的にも実績的にもトヨタのワークスチームだが、じつはトヨタグループとは資本関係のない、独立資本の企業であるのも大きな特徴。

●モデューロ

 最後はモデューロ。モデューロはレース活動がメインのNISMOやトムスと違い、ホンダ車の純正用品を手がけるホンダアクセスのカスタマイズブランドとして1994年に誕生。最初に手がけたのは、「ビガー」用のアルミホイールで、これがホンダでははじめての純正アクセサリーのアルミホイールとなった。

 その5年後には、エアロパーツやサスペンションなどアフターパーツも追加。

 2007年には減衰力調整機構付きの「シビックタイプR」用スポーツサスペンションを発売し、運動性能を高めつつ、乗り心地も犠牲にしない、メーカー直系ブランドならではの乗り味を確立していく。

 さらに、2013年にはホンダアクセスが開発した専用のカスタマイズパーツが装着されたコンプリートカー=Modulo Xシリーズの第1号、「N-BOX Modulo X」を発売。

 その後、N-ONE、STEP WGN、FREED、S660、VEZEL、FITなどのModulo Xが登場し、ノーマルでもなくチューニングカーでもない、モデューロ独自の世界観、乗り味にほれ込んだ、強力なファンを増やしつつある。

 モデューロは、ホンダの純正用品メーカー、ホンダアクセスのブランドなので、かつてNSXの開発にかかわった技術者や空力のスペシャリストなど、自動車エンジニアリングを極めた専門家が在籍しているのが強味。

 また、土屋圭市氏がModulo X開発アドバイザーを務めているのも、よく知られている話だ。

 なお、「Modulo(モデューロ)」とは、ポルトガル語で「スタイル」という意味。

 純正を知り尽くしたスペシャリストが送り出す、高品質のアフターパーツとコンセプトカーによって、30周年を迎えたモデューロは、ホンダ車ユーザーだけではなく、ホンダ車ファン以外にも注目されるブランドとしてますます存在感が増してきた。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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