「F」じゃないのにはワケがある! レクサスLBXが“MORIZO RR”で成し遂げたクルマの姿とは (2/2ページ)

楽しく走れるクルマに仕上げるための工夫が満載

クルマ好きを笑顔にするためのマニュアルトランスミッション

 そして国内レクサスモデル初のMT設定車であることもこのモデルの特徴だ。

 LBX“MORIZO RR”は1.6リッターターボエンジンが搭載されており、トランスミッションは6速MTとダイレクトシフト8速ATの2種類から選択が可能。現代のハイパフォーマンスモデルは「2ペダルのほうが速い」というのは定説になっており、ハイパワーかつ速さを求めるコンセプトになればなるほど、2ペダルのみの設定となっているクルマも珍しくない。

 しかし、LBX“MORIZO RR”が求めた性能は「クルマ好きが笑顔になるモデル」。なので、走行性能だけでなく運転の楽しさやクルマとの対話も求めた。そうなるとMTが採用されるのは自然かもしれない。

「F」でも「GR」でもないからこそできること

「『F』のバッジが付かなかったかわりに、『GR』のバッジが付いても良かったのでは?」。

 そんな声もちらほら聞こえる。ただ、先ほどから述べているようにLBX“MORIZO RR”が目指したのは「クルマ好きが笑顔になるモデル」。走りの楽しさはもちろん、それ以外の部分もこだわっている。

 たとえば静粛性。スポーティな走りを実現しつつも音や振動の発生源を抑制する源流対策を徹底的に追求し、レクサスブランドに相応しい快適な室内空間を実現している。それに加えマークレビンソンのオーディオシステムなどが用意されているのも「車内で音楽を楽しみたい」というクルマ好きのニーズに応える装備と言える。

 また、クルマ好きには、「自分だけの愛車としてオリジナリティにこだわりたい」という人も少なくない。そんな声に応えるかのように、標準のLBXと同じくインテリアカラーやシート配色、シートベルトのステッチ色に至るまで、自身のオリジナルコーディネートを楽しめるオーダーメイドシステム「Bespoke Build」が用意されている点も特徴だ。

 その生い立ちから考えると、LBX“MORIZO RR”はこれまでになかったような新しいコンセプトのモデルと言える。このモデルの成功しだいでは今後、このようなモデルが増える可能性もあるかもしれない。そう考えると、ワクワクさせてくれるコンセプトの1台だ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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