昔は愛車が試乗車代わり! ドレスアップやチューニングも禁止! 新車ディーラーマンの愛車事情 (2/2ページ)

プライベートでは好きなクルマに乗っていることが多い

 そして令和のいまはどうなっているのだろうか?

「私が話を聞いたあるディーラーでは、社員向けの割引制度はなくなったとのことでした。任意保険料の一部負担もなくなったそうです。そんななか、残価設定ローンでの購入を前提として、月々の支払額の一部会社負担を行っているそうです。そこでは月々3万円を会社で負担してもらえるとのことでした。ただ、この会社負担は新車購入後3年間だけ行われるとのことなので、初回車検のタイミングで新車へ乗り換えることになるとのことです(事情通)」

 購入車両の改造については、話を聞く限りは合法チューンであっても誤解を生むとして控えるようにしているそうである。ただ、各店舗に試乗車が多く用意されるようになったこともあり、試乗車の代わりに使うといたこともなくなったので、アクセサリーなどの装着についてはとくに縛りはなくなっているとのことであった。

 意外なところでは、仕事用としては自分が販売しているクルマを使う一方で、プライベート用に他メーカー車や輸入車を別に所有しているセールスマンも結構いるとも聞いている。プライベートでは何に乗ろうが制限はなく、あくまで出勤や仕事で使うクルマは自分の取り扱い車にするようにとなっているのが一般的だ。

 真に多様性や個人というものが重んじられているアメリカでは、新車セールスマンは自分の売っているクルマかどうかに関係なく、好きなブランドのクルマに乗っている。そしてそのようなセールスマンからクルマを買う消費者も、そんなことは気にしていない。

 アメリカの新車ディーラーで話を聞いていて嫌な顔をされる質問がある。

「このクルマはどんなタイプのお客が多いですか?」という質問である。日本では逆に重要視されるような質問だが、筆者の経験した限りでは「そんなことは知らない」など冷たい反応が多い。そもそも、アメリカではそんなことは売る側も買う側も気にしていないのだなと筆者は感じている。

 しかし日本では、「セールスさんはどのクルマに乗っているんですか」とお客が聞いてきたり、セールスマンが「私も乗っているのですが……」というトークが、販売促進上有効となることも多い。

 アメリカでも社員購入割引制度のようなものはあるが、「仕事とプライベートは別」というのが徹底されているお国柄であるし、買う側もセールスマンがどんなクルマに乗っているかに興味がないところで、日本とは様子が異なるようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報