新型BMW1シリーズのデザインをプロが切る! コンセプトカー「ノイエクラッセ」の要素を見事にブレンドした手法に拍手!! (2/2ページ)

今までのBMWデザインを受け継いだ1台

●コンセプトカーのエッセンスを順次取り入れる

 ところで、BMWはその横長のグリルに斜めのラインを取り入れたことを新型の「ウリ」にしていますが、これはご存じのとおりコンセプトカーのノイエ・クラッセのモチーフを取り入れたものです。

 これについて、新型の発表会に参加したBMWジャパン・プロダクト・マネージャーのプリュボ・ケビン氏は「現在2台のノイエ・クラッセが公開されていますが、それ自体を出すのではなく、当面は2台の要素を各車種に順次盛り込んで行くカタチになります。先日公開された新しいX3でも、エクステリアのフロントやリヤなどのほか、充電トレイなどインテリアでも「斜め」の表現が施されているんです」と語っています。

 ちなみに、BMWといえば今年9月にデザイン部門の全面的な再編が発表され、コンパクトとミッドサイズのBMWモデルは、これまでMINIのデザイン責任者だったオリバー・ハイルマー氏が担当するとされました。ただ、先のケビン氏によれば「今回の1シリーズのスタイリングはかなり以前から開発されており、新体制の影響は受けていない」とのことです。

 一方、リヤビューはワイド感の強化を狙った横基調の造形。とりわけ、サイド面にまわり込んだテールランプが幅広さを強調していますが、切り欠きのある複雑な形状はノイエ・クラッセのそれとは異なり、アグレッシブな新しい1シリーズの個性が優先されているように見えます。

 さて、こうして新型のエクステリアをチェックすると、ビッグマイナーチェンジとして先代の面影を残しつつ、次世代コンセプトカーの要素を巧妙にブレンドしたスタイリングであることがわかります。その意味で、現在のBMWデザインは大きな過渡期にあるといえるのかもしれません。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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