見かけたら使いたくなるユニークな名前たち
クルドサック【技】
字面だけを見ると「メリケンサックを拳にはめたクルド人」などの物騒な事態をイメージするが、そうではなく、クルマの方向転換ができるよう、行き止まりの奥がロータリーなどになっている袋小路のこと。「袋小路」を意味するフランス語『cul-de-sac』に由来し、主に大規模な分譲地やニュータウンなどで採用されている。
下剋上【俗】
複数個の道路標識がある箇所において、本来なら下に設置されるべき標識が、上に設置されている状態のこと。複数の国道標識が縦に配置される場合、「国道番号の数字が小さいほう」が上に配置されるのが原則だが、福井県敦賀市の岡山町1丁目交差点では、R27の標識がR8よりも上に設置されている。
こっちだヨウ平【公】
毎年8月10日を「道の日」として制定するにあたり、建設省(現在の国土交通省)が1986年に作った道路のイメージキャラクター。なぜか「ニワハンミョウ」という昆虫がモチーフだが、現在では見かける機会もほとんどない。
パッチング【技】
「パッチング」と聞くと、もしかすると関西のほうは「必死になること」あるいは「ズボン下を履くこと」などをイメージする可能性もあるかもしれない。だがそうではなくパッチングとは、道路のポットホール(くぼみやへこみ)あるいは段差、局所的なひび割れなどに、アスファルト混合物を使って応急で填充すること。
ラーメン橋【技】
字面からは「その向こう側に人気ラーメン店が群雄割拠している橋の俗称」にも思えるが、そうではなく、主桁と橋脚・橋台を剛結構造とした橋梁形式橋のこと。建設業界では門のような形の骨組みを「ラーメン」というそうで、ドイツ語のRahmen(額縁)からきた言葉であるとのこと。鹿島建設の公式サイトによれば、ラーメン橋は山間部谷間の橋梁や高架構造によく用いられており、また「連続ラーメン構造」は耐震性が高いため、地震の多い日本ではよく使用されているらしい。
ラチス【技】
「拉致」あるいは「ネオナチ」などの物騒な言葉を想起させるため、ラチスと聞くと、つい「我、昨日地元のネオナチ集団に入団せり。入団早々、不逞の輩1名の拉致に成功す」などの構文が頭に浮かんでしまう。だが「ラチス」とはもちろんそんな話ではなく、トラス構造(部品や部材などを三角形の形状につなぎ合わせて、節点をピンなどで接合した構造)において、斜めに設けられた補強材のことだ。
ランチタイムプロナード【公・俗】
1980年代前半に竹内まりやか泰葉がそんな歌を唄っていたような気もするが、それは気のせいで、「ランチタイムプロムナード」とは、昼食時間帯に街路をいわゆる歩行者天国にして、道路を人々の憩いの場として提供する交通規制のこと。最近では「ランチタイムプロムナード」という規制名称を耳にする機会も少ないが。