アルピーヌのスーパーカーは「水素エンジン」+「モーター」のハイブリッド! 市販の期待が高まる「アルペングローhy6」の気になる中身 (2/2ページ)

ゼロエミッションのドリームカーとして市販されることを望む

 その成果は2024年のパリサロンで早くも明らかになり始めた。アルペングローシリーズの最新型、「hy6」が初公開されたのだ。

 現在の段階では、残念ながら参加可能なレースカテゴリーは存在しないものの、WEC(世界耐久選手権)では、2028年から水素燃料の導入が検討されている。アルピーヌがこのアルペングローhy6によってまず狙うのは、このカテゴリーであることは容易に想像できるところ。

 現在の段階ではまだ、hy4と同様に3個の燃料タンクに気体水素を700バールの圧力で充填するhy6だが、これが将来的には液体水素に変更される可能性も、前で紹介したアルピーヌのコメントから考えれば十分に高い。

 搭載されるエンジンは、100度のバンク角を持つ3.5リッターのドライサンプ型V型6気筒ツインターボ。最高出力は750馬力を発揮し、また最大トルクも770Nmを誇る。組み合わされるミッションはXトラック製の6速シーケンシャル。駆動輪はもちろん後輪。最高速は330km/h以上と発表されている。

 透明な仕様となったエンジンカバーごしには、軽量なインコネル製の排気システムの姿が見て取れるが、このなかを流れるのはもちろん水蒸気のみだ。

 気になるのは、はたしてアルピーヌが、このアルペングローhy6をベースとした、ゼロエミッションのドリームカーを市販してくれるかどうかということにあるが、これに関しては現在の段階では一切のコメントは得られていない。

 もちろんその夢が叶えば、世界のカーマニアにとって、アルピーヌというブランドはさらに魅力的な、そして神格化された存在にさえなることは間違いないのだが。今後の情報に期待したいところだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報