この記事をまとめると
■大手オークション業社のサザビーズが「ザ・ジャンクヤード」を開催
■鉄くずのようになっていてもフェラーリは高値で落札された
■いまはガラクタのようであっても根気よく再生させれば驚くような値をつけるかもしれない
一般人にはガラクタでもクルマ好きには宝物
「こんなガラクタ買ってきて、どうすんのよ!」と奥さまや恋人から、こんなセリフを投げつけられたこと、クルマ好きならあるかもしれません。そんな物好きはなにも日本だけでなく世界中にいるようで、大手オークション業社のサザビーズはこれまでに「ザ・ジャンクヤード」と名付けて驚くようなガラクタを出品しています。奥さまどころか、クルマ好きの本人でさえ目を疑うような鉄くず(笑)をピックアップしてみましょう。
鉄くず業者も目を背けるフェラーリ
フェラーリ275GTSは1960年代を代表するかのようなスポーツカーで、とくにアメリカではピニンファリーナボディが売れまくりました。スパイダーのニックネームが付けられた流麗なボディは、それこそハリウッドスターたちに大好評で、輸入元のキネッティは数十台を売りさばいたとされています。
が、この姿(笑)。原型をかろうじてとどめているのはリヤエンドくらいなもので、そのほかボディの大半は消失、または重大なダメージを受けている状態。素人の目にはとてもフェラーリには見えません。しかも、エンジンはおろか、駆動系や内装などは影も形もありません。
まさか値段が付くとも思えませんが、サザビーズは380万円ほどで売り切りました。たしかに、キネッティの書類やシャシー番号などはあるもののまさしく鉄くずにほど近いもの。サザビーズも「ガレージアートに最適」などと苦しいいい訳をしていますが、いくらなんでもと失笑をもらさずにはいられません。
キロいくらじゃないところがすごい
これまた1969年のフェラーリ365GT2+2の残骸というかスクラップされた姿といってもおかしくありません。事故を起こして、車体がバラバラになったようで、ルーフをはじめとしたさまざまなパートが「ひと山いくら」状態で売り出されています。
それでも、サザビーズは「キネッティの販売証明と、レジストレーションプレート付き」と出自を保証しており、アズーロハイペリオンのオリジナルカラー、ブルーコノリーレザーにブルーカーペットだと誇らしげに主張。そうしたスペックに惑わされるのか、あるいはアバンギャルドなアート作品でも作りたいのか、約250万円で売却! キロいくらの鉄くずよりもはるかに高い値付けとなりました。