前身の会社はスマホで有名な「サムスン」の自動車部門だった
こうした各モデルを見れば、誰でも直感的に社名にあるフランス・ルノーの影響を思い浮かべるだろう。だが、ルノーコリアがルノーコリアと名乗るようになってから、まだ2年ほどしか経っていない。
その前はルノーサムスンであり、前身はサムスン自動車だった。サムスンといえば、日本で「SAMSUNG」のブランド名を知らない人は少ないだろう。Galaxyシリーズでの、スマートフォンやスマートウォッチのメーカーとして認知度は高い。Galaxyスマートフォンはアンドロイドフォンの筆頭として、アップルiPhoneのライバルである。
また、アメリカ等の海外でSAMSUNGは、各種の家電が大手量販店で扱われており、総合電気・ITメーカーというイメージが広まっている。
そうしたIT企業へとサムスンが成長する前の1990年代半ば、サムスンは自動車産業への参入計画を立てた。その後、いわゆるアジア通貨危機が韓国経済に極めて大きな影響を及ぼすも、韓国経済界が再建するなかで、サムスン自動車は船出することになる。
しかし、時流に乗れず、結果的に経営破綻して、ルノーとの資本提携を結ぶに至る。
直近では、ルノーは日産・三菱とのアライアンスがある。一方で、日産はホンダと次世代に向けた連携を発表しているが、ルノーとの関係は「別枠」という説明を社外的にしているところだ。
いま、自動車産業界は、電動化、自動運転、そしてAIを活用した通信プラットフォームなど、クルマのIT化が急激に進んでいる状況だ。
IT関連事業で新しいアイディアをグローバル市場向けに展開している韓国に拠点をもつルノーコリアが今後、大きな事業変革を決断する可能性もあるのではないだろうか。