やたらとヒョンデ&キアの韓国車が目につく! アメリカで販売台数以上に目立つのは「奇抜な」デザインのおかげ? (2/2ページ)

奇抜なデザインにより日本車以上の存在感を発揮

 トヨタ・カムリのライバル「ソナタ」や、カローラのライバル「エラントラ」でもエッジの効いたエクステリアとなっている。

 キアブランド車は、デザインだけではなく「バツ印」に光るポジションランプなど、夜間でも存在感を強調する装備が与えられている。

 前述したようにトヨタやホンダに対してはセールスパワーでは圧倒的な差をつけられているが、存在感で差を付けようとしているのかもしれない。

 また、2023年までは日本車ではラインアップの少ないBEV(バッテリー電気自動車)で存在感を示そうとしていたようで、街なかではかなりの台数のキアEV6が走っていた。しかし、2023年あたりからガソリンの高値安定傾向が続くなか、燃費のいいHEV(ハイブリッド車)へ消費者の注目が集まるようになり、日本車の販売に勢いがついていた。

 そして、2024年に南カリフォルニアを訪れると、ヒョンデ、キアともに多くの車種にHEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)が設定されていた。エグいデザインにHEVで日本車に迫ろうとしているようにも見えたのだが、「いまのように注目される前から、HEVといえば日本車、とくに『HEV=トヨタ』というイメージが完全に定着していました。確かにヒョンデやキアはオールラインアップといっていいほどHEVやPHEVの設定拡大を行っていますが、『HEVがあるからヒョンデ』という消費行動は広がっていないように見えます」とは地元事情通。

 トヨタやホンダが慎重にセールスプロモーションを進めているなか、ヒョンデやキアは超低金利ローンなど、相変わらずの「乱売モード」が目立っていた。

 内外装デザインなどの見た目ではかなり魅力的にも見えてきた韓国車だが、乱売とも呼べる販売施策を取り続けている限りブランドステイタスアップにも限界があり、トヨタやホンダに遠く及ばない現状はなかなか変えられないものと考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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