この記事をまとめると
■雪国では朝早めにクルマのエンジンを始動してフロントガラスの氷を溶かすのは当たり前
■最近はLEDヘッドライトの普及により雪が溶けないことが問題となっている
■自動車メーカーにヘッドライトが凍らない対策をしてほしいという声も少なくない
最近のヘッドライトは雪が溶けない
冬季限定、北海道在住の斎藤です。
一晩でクルマが雪ダルマのようになる降雪を1シーズンに何度も経験し、徐々に雪耐性が強くなっている今日このごろです。ボクが冬季に住んでいる留寿都村は、北海道屈指の降雪地域としても知られているところ。雪ダルマにはならなくても、クルマ全体が雪コーティングされてしまうのは2日に1度という頻度。
しかも1月はほぼ毎日-10度の世界。夕方クルマを駐車場に停めるとエンジンと室内の熱気で、雪が溶け再び凍結。フロントウインドウは毎朝氷でコーティングされています。
なので、冬季の朝に出かけるときは30分くらい早くクルマに行き、エンジンをかけてクルマを暖めて、氷のコーティングを溶かします。しかし、ここで困るのがヘッドライトです。溶けた雪が凍ってできたツララがヘッドライトカバーを覆ってしまい、性能を発揮しません。しかも、最近のLEDのヘッドライトは熱があまり出ないので溶かすことができません。なので、エンジンをかけっぱなしにしておいて氷が溶けるのを待つ……というわけにはいきません。ではどうするのかというと、手作業で氷を除去します。
と言っても手作業での除去には限界があり、雪かきブラシの毛のところを使って軽くたたきながら氷を割っていくのが関の山。
ところが、走行中だとあまりヘッドライトに雪が積もって困ったという記憶がありません。夜の降雪時に頻繁には外出しないということもあるのでしょうが、もしかしたら、厳寒で雪が軽いルスツ地域だと、ヘッドライトに着雪しにくいのかもしれませんが……。
最近のクルマは素晴らしく空力が良いし、メーカーも冬季テストを行っているはずなので、ある程度の対策はできているのかもしれません。
ただ、雪がしんしんと降るー2〜ー3度の夜は、たしかに雪がヘッドライトカバーに付着してライトの光量が乏しい感じになることがあります。ヘッドライトウオッシャーが仮に付いていても、雪を溶かしたり飛ばしたりするほどのパワーはありませんから、結局は見えにくくなったらヘッドライトの雪を随時取り払うしか方法はないと思います。
とはいえ、見えにくくなったら……と書きましたが、強い雪の日は対向車が見えにくいので、自分の存在を周囲に知らせるためにも、ヘッドライトの雪落としは小まめにできればそれがベスト。
ちなみに寒い夜は雪が軽いので、ヘッドライトカバーの凍結さえ取っておけば、実際のところあまり光量の不足を感じることなく走ることができます。それよりもヘッドライトでハレーション気味にチラつく雪の方が邪魔で、走るのに難渋します。
実際にヘッドライトに雪が付着して困っている人が多いのは、北海道の厳寒の地域よりも、東北や北陸の重い雪の降雪地域ではないかと思います。それから思い返してみると、新潟あたりの激しい雪の日だと、ハロゲンヘッドライトでも、ヘッドライトに雪が積もりシャーベット状になって付着していた記憶があります。
熱を発しないLEDヘッドライトが新型の乗用車(トラックも)に採用されるようになり、雪の着雪問題に関する声が、クルマが増えるにつれて大きくなっています。ぜひ自動車メーカーには、ヘッドライトに付着する雪対策をなんとか考案してほしいと私は考えます。