この記事をまとめると
■トラックには専用のタイヤが用意されている
■今回は小型トラック向けタイヤの機能について解説
■東洋ゴムの「DELVEX M135」を例に挙げた
経験の浅いドライバーに考慮したタイヤを開発
一見、タイヤは何の変哲もないゴム製品だが、そのなかには自動車が安全に走行するための多くの工夫が詰まっている。タイヤショップなどに行くと、選ぶのに困るほどの種類が展示されているが、それぞれユーザーの求める性能に応じた特性があるのだ。同様に、トラックについても専用のタイヤが用意されている。
トラックは乗用車に比べて、
・車両の重量が重い
・荷物の積載時と非積載時で車両重量が大きく異なる
・スポーティな走りはしない
・走行距離が多い
・商用車なので経済性が求められる
といった特徴があるが、小型トラックはさらに、
・短い距離で停車、発進を繰り返す
・狭い道を走ることが多く、頻繁にハンドル操作を行う
などといった条件が加わる。すなわち、小型トラック用のタイヤには丈夫で長もち、高性能、くわえて経済的にも優れていなければならないという、高いハードルが存在するわけだ。
また、トラック業界には解決に注力しなければならない「2024年問題」が横たわっている。とくに一般消費者向けのEC(Electronic Commerce、電子商取引)が普及したことにより小口配送が増加し、小型トラックが活躍する場面が増加。必然的にそのドライバーが大幅に不足し、未経験者の採用が増加しているといわれている。
トラックは乗用車と運転感覚が異なる部分が多く、未経験者は慣れるまで一定の時間が必要だ。タイヤメーカーでは、そんな不慣れなドライバーをサポートするべく、より安全な小型トラック用タイヤの開発を行っているのである。