この記事をまとめると
■トラック業界で人気のディーゼル用燃料添加剤「煤殺し赤」
■上手く使うことでメンテナンスの頻度を減らすことが可能だ
■トラックだけでなく乗用車にも使用することができる
ガソリンエンジン用の「煤殺し」もラインアップ!
現在、トラックの多くが搭載しているクリーンディーゼルは、緻密な燃料噴射制御によってNOxやPMをできる限り減らし、燃費も追求した極めて高性能な内燃機関だ。いまやディーゼルは黒煙をモクモクと吐き出しながら走る、というイメージは完全に払拭された感がある。けれども、発進加速など負荷が大きなときには、どうしても燃料の燃えカス=黒煙の発生が避けられない。そのため、後処理装置として多孔質のセラミックを利用したDPF(ディーゼル黒煙フィルター)で黒煙粒子をキャッチして再燃焼させているのだ。
そのDPFも使用しているうちに目詰まりしてくるし、排気ガスを燃焼室に取り込んで不活性ガスとして利用するEGRも、燃焼温度を下げるためにEGRクーラーを介して冷やしてから燃焼室に取り込んでいる。このEGRクーラーも目詰まりを起こしやすいが、ディーゼル用の燃料添加剤を上手く使うことで、メンテナンスの頻度を減らすことができるのだ。そんなディーゼル用燃料添加剤で人気を集めているのが「煤殺し赤」だ。
これは酸化セリウムを主成分とした煤焼き強化剤で、DPFの再生モードだけでなく、通常走行時にもDPF内の煤を燃焼することにより、再生モードのインターバルを伸ばし、DPFの寿命も伸ばしてくれるのだ。さらに煤殺しには「青」と「極」もあって、青はインジェクターの洗浄効果が高く、極は赤と青の効果を併せもったものだ。
ジャパントラックショー2024では、デモカーのトラックや製品を展示するだけでなく、オリジナルキャラクターの「すすごろう」もやってきて、歌舞伎役者風のゆるキャラとして可愛さを振りまいてくれたのだった。
さらに、トラックだけでなく、乗用車にもこの煤殺しは効果が期待できるのだ。クリーンディーゼルエンジンを搭載したSUVなどはそのまま利用できるだけでなく、ガソリンエンジン用の煤殺しもラインアップされている。ガソリンエンジンでも最近は直噴エンジンが増えている。燃焼室に直接燃料を噴射する直噴は、燃料を無駄にしにくいが、ディーゼル同様負荷が大きいときには、燃料の霧化が追いつかず、黒煙が発生してしまうのだ。
そのため定期的にこうした添加剤を利用すると、エンジンのコンディションを保ちやすい。しかも煤殺しのガソリン用はFM煤殺しという商品名で、FM(摩擦軽減剤)を配合しており、バルブとバルブシート、バルブガイドなど燃焼室周辺の潤滑を行うことでエンジンの静粛性を高めて振動も軽減してくれる効果もあるのだ。しかも、多くのガソリン用添加剤に洗浄剤として使われているPEA(ポリエーテルアミン)を高濃度で配合。さらに独自の洗浄成分SCIがカーボンを浮かせて洗浄効果を高めているそうだ。
トラックユーザーの通勤車や趣味クルマに使用すれば、インジェクターや燃焼室のコンディションが改善されて、燃費も向上すると評判だ。