まさかの発泡スチール製だと!? 農家の軽トラに革命が起こりそうな「箱明」がローテクなのにスゴイ!! (2/2ページ)

農作業の時間短縮にもつながる

 その製品的特徴は、高い保温性にある。通常であれば、外気温が10℃から35℃に上昇した場合、100分程度で野菜もそれに近い温度にまで上がり、品質の劣化につながってしまう。ところが、「箱明」に入れることで温度の上昇が17℃程度に抑えることができるのだ。

 また、耐久性にも優れている。ボックスの外側全体に、高い耐久性(防水性・防食性・耐摩耗性・耐薬品性)をもつポリウレア塗装がされており、衝撃などから本体や荷物を守ることができる。その強度は、金槌で叩いても壊れないレベルだという。

 取り付けの汎用性が高く、2000年以降に製造されたほぼすべての軽トラックの荷台に搭載が可能。サイズは全幅1430mm×全長2055mm×全高1325mmと広く、農業用ハーフコンテナにして約40個を積載できるのだ。

 農業の現場では、保温性を生かした生産物の安心・安全な運搬に加えて、夜に収穫した場合などに短時間の貯蔵倉庫として利用している。荷物の出し入れは両サイドのアオリを上にはね上げて行なうのだが、これが屋根代わりになるので雨や強い日差しを避けて作業ができる。また、荷台が本来平台であったものから、バン型トラックと同じボックス型になるため、荷物をそこに収めればいちいちシートやロープをかける必要がない。そのため、農作業の時間短縮にもつながっているのだ。

 ボックス本体は発泡スチロールなので、外観には塗装や加工が可能なことから、オリジナルの文字・ロゴ・図案などを描くことができる。これは、高い宣伝効果が期待できるので、移動販売車として活用することも考えられよう。

 出発点はSDGsやエコの実現と農作業の負担軽減に寄与することであったが、その性能が思いのほか高いので利用範囲は農業に留まらず、さまざまな軽トラックの活躍シーンに貢献が期待できそうなアイテムだといえるだろう。


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