EVはエンジン車とは違うクルマとして捉えるべき
では、回生を利用した発電でどれくらいの電力が得られるのだろうか?
実際、アクセルペダルの戻し量によっても異なるが、最大で60%ほど電気を戻せるとの話がある。100%まではいかないが、使ったエネルギーの6割を戻せるなら、有効活用しなければ損だ。ただしそれには、アクセルのワンペダル操作が不可欠になる。
エンジン車に回生に替わる機能はない。したがって、基本的にはブレーキペダルを踏み、油圧ブレーキで減速したり、止まったりしなければならない。ほかに、先にも述べたエンジンブレーキや、空気抵抗も減速の要素のひとつだが、近年は燃費向上のため高い段のギヤで走ることが多く、空気抵抗も少ない外観になってきているので、油圧ブレーキへの依存度が高いだろう。
逆にEVは、回生によるブレーキの働きを利用できるので、ワンペダル操作を使えば使うほど、油圧ブレーキの使用頻度が減る。結果、ブレーキパッドの摩耗を抑えられる。それは、部品交換費用の軽減につながる。
回生はEVだけでなく、モーターを併用するプラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド(HV)、マイルドハイブリッド(MHV)の各車でも利用できる。
EVは、単にエンジン車の代替ではなく、独自性のある別のクルマという発想をするとよいだろう。