日本人の憧れ「プール付きの一軒家」は敬遠されがち
また、アメリカの一軒家といえば、敷地内にプールがあって当たり前とのイメージもあるが……、「日本から新たに駐在員としてやってくる日本人は決まったように『プール付きの家に住みたい』と不動産屋にリクエストするそうですが、地元民からはプール付きの家は敬遠されがちです」(知人)とのこと。
自宅敷地内でありながらプールから水があふれる「漏水」は取り締まりの対象となるよう。使わないときでも水を抜いてはいけないとのことで(消火用にも使うため?)、漏水だけではなく、水面に浮いた落ち葉などの回収や蚊の発生予防など、衛生面の管理も厳しく要求され、手間がかなりかかるというのである。
このような事情は家庭だけではなく、建物内の水道にも広く対策が講じられている。ホテルに泊まれば、洗面台やシャワーは節水タイプノズルとなり、目に見えて流れてくる水が少ないことがわかる。また、知人は料理の際に使った水(コメのとぎ汁など)をキッチンで流さずにとっておき、スプリンクラーの水ではなく、この水を芝生にまいていた。
人口の多いロサンゼルス地域を離れ、砂漠の真ん中のモーテルに泊まると、ロサンゼルス地域より水道から勢いよく水が出てきているなと感じることがある。ラスベガスでは大きい人工池で噴水によりアトラクションを見せるホテルもあるが(繰り返し使っているようだが)、一時は人口が急激に増えてしまい、水道供給に問題が生じることも頻繁に起こっていたそう。
節水に心がけるように行政当局の管理が厳しいとはいえ、砂漠のなか(ロサンゼルス地域もそもそも砂漠地帯)なのに、温かいシャワーを問題なく浴びていると、アメリカの底力というが、その凄さを筆者は感じている。