ドアロックが勝手にガチャガチャ! 晴れてるのに足もとが濡れている! ドライバーを恐怖のどん底に突き落とす「クルマの心霊現象」の正体4つ (2/2ページ)

それ、科学で証明できますから!

●注意していてもなぜか事故ってしまう「呪いの高速道路」問題

 注意深く運転していたはずなのに、目の前に突然現れた(ように感じられる)前走車両に追突してしまったり、路肩に停まっていた車両を認識していたのに、なぜかそこへ吸い込まれるかのように進んでいき、結果として死亡事故になってしまったり。

 こういった事故がたまたま同一または近いポイントで多発すると、まことしやかに「あのあたりは昔、平家の落ち武者が大量に斬首された刑場があって……」的な話がささやかれる。だが科学的に考えると、この場合の“犯人”は高速道路催眠現象(Highway Hypnosis)であるということになる。

 高速道路はカーブが少なく、信号機もないことから、基本的にはほとんどハンドルを切らない&ブレーキペダルも踏まないまま、変化の少ない道を淡々と走ることになる。そういった状況が続くとドライバーの意識レベルは低下し、睡眠を十分に取っていたとしても朦朧となり、眠気も誘発される。そして、最終的には「目を開けた状態での居眠り運転」に陥る。そのため、「カーブがあることはわかっていたのに、そこへ吸い込まれるように進んでしまった……」ということになるのだ。

 これを科学的に防ぐには、「こういった現象はどうしたって起こることを理解したうえで、こまめに休憩する」「ガムやスルメイカなどを噛んで顎を動かし、脳に刺激を与える」「車内の二酸化炭素濃度が上がらないようエアコンは外気導入で使い、たまに換気もする」などの“基本”を徹底するほかない。そしてとにかく「ヤバいかも?」という兆候を感じたら、即座に一番近いSA/PAに入ることだ。

●車内の足もとやシートがなぜか濡れている「水系幽霊」問題

 とくにタクシー運転手の談話としてささやかれる場合が多いのが、「乗せていたはずの客がいつの間にか消え失せ、シートがびしょ濡れになっていた……」というパターンの怪奇現象だ。

 濡れていたのが「足もと」であり、なおかつその液体が無色無臭に近いものであったなら、おそらくはエアコンのドレンホースが外れてしまっているか、亀裂が入っているのだろう。すぐさま重大なトラブルにつながる可能性は低いが、車内の湿度が上がってカビが発生してしまうこともある。祈祷師ではなく、近所のディーラーに処置してもらおう。

 また、窓はしっかり閉めていたはずなのになぜかリヤシートが濡れていた場合、もしもそれが古めのクルマであったなら、リヤウインドウのウェザーストリップが劣化したせいである可能性が高い。これも祈祷師ではなくディーラーだ。

 ほかにもあるかもしれないが、以上4点、一部では「心霊現象」などと面白おかしく囃し立てられがちな現象について、科学の観点からご説明させていただいた。皆さまにおかれては非科学的な言説に惑わされることなく、今後もきわめて科学的で幸せなカーライフを送っていただけたら幸いだ。

 ……といってもですね、じつは私も「非科学的な体験」をしたことが一度だけあります。

 あれは数年前、私は亡くなった叔母の通夜に参列しました。渋滞のせいで私は少し遅刻してしまい、ご遺体がある祭壇前にてひとりで焼香しました。いろいろと世話になった叔母だったので、心のなかで「◯◯おばさん、本当にいままでありがとね……」的なことをしっかりつぶやきながら。思いながら。

 するとどうでしょう。いきなり私の体はシャブかヘロインを打ったかのようにくわーーーーっ!となり(※打ったことないので本当のところはわかりませんが)、誰かにぎゅーーーーっと抱きしめられているかのような感覚に陥りました。その感覚は数秒間続きました。

 あのときの現象も、もしかしたら「脳のシナプスがどうのこうの」という“科学”で説明できるのかもしれません。しかし私としては「……霊というか魂、あるかもな」という結論に至っています。

 そのため、実際にはいわれている“心霊現象”のうち極限近くまで少ないはずですが、「悪霊のせいで事故った」みたいなケースもゼロではないのかもしれません。

 とはいえそれに対処するにも、「よく食べてよく笑い、よく寝てよく働く」ことによって自己の心身機能を高め、常に外部からの攻撃など跳ね除けられるようにしておく……という“科学的アプローチ”を取るしかないと考えているのですが。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

新着情報