エアバルブの先端の樹脂製キャップ! まぁなくても……はNGな重要パーツだった

この記事をまとめると

■タイヤメーカーはバルブキャップを必ず装着することを奨励している

■バルブキャップはエア漏れを防ぐとともに異物混入を防ぐ役割も担っている

■ドレスアップでバルブキャップをゴム製からアルミ製に交換するのもNGだ

小さいけれど重要な部品のバルブキャップ

 タイヤのエアバルブについている小さな樹脂製のキャップ。空気圧を点検・調整するたびに脱着するので「めんどくさい」「なくてもいいんじゃないの?」と思っている人もいるだろう。しかし、タイヤメーカーでは「バルブキャップを必ず付けましょう」と強く装着を奨励している。

 なぜかといえば、バルブキャップは空気漏れを防ぐ最後の砦だから。バルブキャップの主な役割は、エアバルブ内部への異物混入防止。タイヤのエアバルブのムシ=バルブコアは直径約5mm、長さ約20mm。これにゴム製の弁パッキンとフッ素樹脂の胴パッキンがついていて、タイヤ内の空気を保持する要になっている。

 とても小さなパーツだが、時計に匹敵する精密機械のような精度で作られているので、水分や砂や埃、異物が付着するのは厳禁だ。

 そうした異物からバルブコアを守っているのが、バルブキャップ。このバルブキャップがなくなると、バルブに水が入って内部が腐食したり、金属部分にサビが出たり、パッキンに異物が挟まったりして、エアリークの原因となることがあるので、バルブキャップの存在はかなり重要。

 よく見ると、バルブキャップの内側にも、ゴムのパッキンが入っていて、万が一のときは、バルブと密着することで空気漏れを防ぐ仕事もしてくれる。

 バルブキャップがなかったとしても、すぐに空気が漏れるようなことはないが、長期的に見れば、バルブキャップがないのはエア漏れの元凶になり得るので、結構リスキー。

 数百円で購入できるので、バルブキャップを紛失してしまったという人は、気づいたときにすぐに購入して再装着するようにしよう。

 なお、ドレスアップでゴム製のバルブキャップから、アルミ製のバルブキャップに交換する人がいるが、あれはNG。

 ほとんどのクルマのバルブステムは真鍮製で、真鍮製のバルブステムにアルミのキャップを装着すると「異種金属接触腐食」、いわゆる電蝕という現象が起きて、キャップとバルブステムが腐食、最悪の場合は固着してキャップが取れなくなることがあるからだ。

 アフターパーツのホイールでゴム製のエアバルブではなく、最初からメタル製のエアバルブ+メタル製バルブキャプの組み合わせなら問題ないが、根もとがゴムでなかに真鍮のステムが入っている一般的なエアバルブなら、樹脂製のバルブキャップ、もしくは真鍮製(メッキ)のバルブキャップをチョイスすることが肝要だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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