いつもやってるけど……はたまたま運がよかっただけ! 大きな事故に繋がりかねないクルマのちょっとした危険行為 (2/2ページ)

ガソリンスタンドにも危険は潜んでいる

 また、そのほかにも筆者がしばしば訪れるセルフ方式のガソリンスタンドには、「最近、給油ホースをクルマに差したまま走り出されるお客さまが散見されます。大変危険ですので、必ず給油ホースを元の位置に戻したことをご確認のうえ、ご出発ください」といった感じの張り紙がある。

 さすがにこれについては「うっかりじゃなくて、もはや耄碌(もうろく)だろ! 免許返納しろや!」と思うわけだが、セルフ方式のガソリンスタンドにおいて「給油キャップを締め忘れたまま出発してしまった」といううっかりは、現役層のドライバーでもたまにやってしまうのかもしれない。

 給油キャップを締め忘れたまま走ってしまうと、まずは走行する際の振動によって燃料タンクからガソリンや軽油が漏れ出し、これがボディに長い間付着すると、ボディの変色や塗装のはがれが発生してしまう。変色と塗装はがれだけで済めばまだマシ(?)なのだが、最悪の場合には、気化したガソリンが何らかの火種に触れることで爆発を起こす可能性もある。

 それゆえ──いうまでもないことではあるのだが、セルフ方式のガソリンスタンドで給油した際には、給油キャップとロック板を絶対に締め忘れないようにする必要がある。

 ちなみに筆者の場合はセルフでの給油を終えたあと、有人スタンドのスタッフさんがいっているのを真似して「キャップOK、ロックOK!」と、毎回モゴモゴつぶやきながら指差し確認をしている。カッコ悪い姿かもしれないが、物忘れが激しくなってきた中高年にとってはかなり有効な手法だと確信している。もしよければ、ぜひ真似してください。

 さらにそのほかでは「カーオーディオの音量がデカすぎる」という危険行為もあるだろう。さすがに「イヤホンで音楽を聴きながら運転してます」というドライバーはいないと思うが(……いませんよね?)、けっこうな音量でYOASOBIなどをズンドコ鳴らしているクルマにはしばしば遭遇する。

 2011年5月1日に改正された神奈川県の道路交通法施行細則では、「大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」とある。

 もちろん常識的な範囲で音楽やラジオを楽しむぶんには違反にならないが、警音器(クラクション)や緊急自動車のサイレン、警察官による指示などが聞こえない状況は対象となるようだ。

 しかし、そういった道交法施行細則うんぬん以前に、「周囲の音が聞こえる状態にしておく」というのは、ドライバーにとっては「周囲をよく見る」というのと同じぐらい、重要かつ当たり前なことであるはず。とくに住宅街などではカーオーディオのボリュームをぐっと下げるか、いっそOFFにして、できればちょいと窓も開けて、死角にいる自転車のチャリチャリ音などが聞こえないかを常に確認しておくことが、いってはなんだが「安全運行の極意」のひとつだ。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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町田 康

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