マツダの「身内バトル」も開催!?
この2日間の富士では、ほかにも3つの競技系イベントが行われた。まずは19日の土曜日、ナンバー付きマシンで争われるロードスター・パーティレースIIIの全国を転戦するジャパンツアーシリーズの第6戦が開催。前述の上田や三宅も出場しているが、総合優勝を飾ったのは南澤拓実。2021年にこのレースで年間王者になった実力者が今年度は久しぶりに復帰していて、5月の筑波ラウンドと9月の鈴鹿ラウンドに続いての3勝目を達成している。
そして残るふたつは、いわゆる耐久イベント。初日はマツダグループチャレンジカップ(マツチャレ)で、2日目はマツダファン・エンデュランス(マツ耐)の特別戦が開催された。どちらもルールなどは共通で、20分の予選でグリッドを決めたあと、3時間の決勝を無給油で走り切って勝負を決める戦いだ。ピットイン4回が義務なので、ドライバーは5名までOKという団体戦でもある。ただし、マツチャレは今回が初の試みで、マツダグループの各社の対抗戦といういわば“身内のバトル”。そしてマツ耐の特別戦はマツダ車オーナーに広く門戸を開いた異種格闘技。いつもは2時間30分なので、30分余計に走るために各チームが知恵を絞る頭脳戦でもある。
記念すべき最初のマツチャレは、9号車「北関東MRTロードスター1号」の鈴木一弘/大貫克洋/加藤伸明/照沼士穏/山本秀慈組が71周を先頭で走破して総合優勝。毛籠勝弘社長もステアリングを握った1号車「人馬一体ロードスター」は、そのトップと同じ71周を走りながらも、ピットイン義務違反で2周減算のペナルティを受けて6位に甘んじている。
また、2日目のマツ耐・特別戦は56号車「JRCパワースロードスター1号」の森口 晃/森口拓哉組が、68周を走破して見事に総合優勝を飾った。ちなみに前日のマツチャレのウイナーより3周少ないのは、こちらの2日目のほうが、セーフティカーが導入された周回が多かったためとなっている。
この競技系イベント以外では初日に1回、2日目に2回の「787B・歴代レーシングカーデモラン」が行われた。1991年のル・マン24時間レースで優勝したマツダ787Bは、通算29回の参戦記録を持つ“ミスタールマン”の寺田陽次郎がドライブ。そのほか、スーパー耐久シリーズのST-Qクラスに参戦中の55号車MAZDA3 Bioコンセプトや、12号車ロードスターCNFコンセプトも多くのファンの前で激走を披露。さらに、ロータリーエンジン搭載のサバンナなども往年の爆音をサーキットに轟かせていた。
そして両日とも、コース上の最後を締め括ったのは、お約束の“パレードラン”。見てのとおり、日本でも最大のスケールを誇る富士スピードウェイのコースを埋め尽くすほどの台数が参加。雨模様だった2日目も最後はご覧のように天候が回復し、パレードの参加者たちにとっては最高の思い出になったに違いない。
最後はマツダの藤本恵利ブランド体験推進本部長の来場者への感謝のアナウンスで、この2日間の壮大なイベントが幕を閉じた。パドックやステージでも多くのメニューが開催されたので、それは今回撮影を担当してくださった増田瑠美さんの写真で、お楽しみいただければ幸いだ。