ただの空気を充填すると「タイヤの空気圧」のシビアな管理は難しい! F1などでは常識の「ドライエア」とは? (2/2ページ)

いまやモータースポーツではドライエアが当たり前

 ドライエアは、熱によるタイヤの空気圧変化を少なくできるだけでなく、配管の腐食防止やエアツールの劣化、トラブルを防ぐので、設備の新しい規模の大きなサーキットのピットには、ドライエアが流れてきている例もある。また、先進的なタイヤショップなどで、ドライエアの充填をウリにしているところも珍しくなくなってきた。

 各地を転戦するレーシングチームの場合、現地のナマの空気をそのままコンプレッサーで入れていたのでは、データも共有できず空気圧管理の精度が保てないが、チームでドライエア発生装置を持参すれば、世界中どこでも同じ露点(空気が冷却され含まれている水蒸気が液体=霧になるときの温度のこと)の空気で充填できるので、いまやドライエアでの充填が当たり前になっている。

 一方で、ガソリンスタンドや街の整備工場、ミニサーキットなどのコンプレッサーは、まだまだ旧来のものが多いので要注意。

 通常、コンプレッサーの水抜きは1日1回以上が基本なのだが、それを忠実にやっているところはかなりまれ。

 あるミニサーキットで、空気を充填する前に、念のためコンプレッサーのドレンコックを開いてみると、かなりのドレン(水分)が出てきて驚いたことも!

 空気の乾燥している冬場はそれほどシビアに考えなくてもいいのかもしれないが、タイヤの空気圧は気温と湿度の影響を大きく受けるので、最低でも月に一度、季節の変わり目は半月に一度ぐらい、エアチェックをするのを習慣にしておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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