BEVが普及している一方で充電器が足りてない
かつて現金での給油が多かったころは、給油ポンプ前にクルマを停めてドアロックをしてからキャッシャーへ行き、ポンプ番号を告げ、たとえば20ドルを渡せば20ドル分給油可能となっていた。また、キャッシャーで「20ドル分」といってクレジットカードで払うことも可能であった(いまもキャッシャーでの支払いはできる)。仮に20ドル未満で満タンになると、キャッシャーへ行けばお釣りがもらえた。そしてこれはいまも残っている。
いまは各ポンプにクレジットやデビッドカードでの決済機能があり、ほとんどの人はカード決済で給油している。ただ、アメリカではICチップ付きのクレジットカードの普及がほんの数年前であり、それに対応していないポンプや、そもそも海外発行カードということもあるのか(ZIPコード[郵便番号]入力を要求されることもある)、筆者を含む旅行者はカードが使えないところもまだまだ多い。ただ、シェル系スタンドではほぼすべてアップデートできているようで、そこでは筆者のカードも使えるようになっていた(筆者のカードだけの問題かもしれないが)。
2023年の同じ時期に訪れたときは滞在中にみるみるうちにガソリン価格が上昇し、1ガロンあたり6ドルを超えていたが、今年は4ドル50セントぐらいで安定しており、なかには4ドルを切るスタンドも存在していた。
これがカリフォルニア州ではなくネバダ州へいくと、ガソリン成分が異なるということもあるが、ガロンあたり3ドル50セントぐらい(約518円)で推移していた。日本でも給油の需要が多いバイパス沿いや、東京隣接県よりガソリン需要の多い北関東のほうが価格が高いなど、ある程度需要と供給という資本主義の原則が作用することもあるので、カリフォルニアでもそれが作用しているのかもしれない。
ちなみに、最近のガソリン価格高値安定の動きに対して、BEV(バッテリー電気自動車)普及を図ろうとする組織の陰謀説まで飛び交っていたりするのはアメリカならではの事情といったところだ。
BEV向けの充電設備は、スーパーやホームセンターのような駐車場で一定以上の広さがあれば当たり前のように設置されているが、実際はBEVの普及台数には追い付いていないようで、場所によっては充電待ちの列ができていた。BEV普及のめざましいカリフォルニアでも、こういった事情もあってか、ガソリン車より面倒くさいイメージがあるようだ。
そうなると、ガソリン価格の高値安定が続くなか、燃費性能がよく給油頻度が減りガソリン代負担軽減にもつながる、日本メーカーのHEV(ハイブリッド車)が注目され、よく売れるというのも自然の流れのように見えてくる。