この記事をまとめると
■ヘッドアップディスプレイを邪魔だと感じる人もいる
■運転中に必要な情報を素早く小さな視線移動で確認できることがメリット
■情報過多になりすぎると危険を見逃しかねないために注意が必要だ
スポーティクーペに日本車初搭載されたヘッドアップディスプレイ
数年前の話だが、古いクルマにしか乗ったことのない知人が比較的新しいクルマに乗って、ヘッドアップディスプレイを見てものすごく驚いていたのが印象的だった。たしかに知らない人が初めて見たらカルチャーショックを受けるのも無理はない。
いかにも先進的で、見た目にもかっこいい。当初は高価格帯の高級車でないと設定がなかったが、だんだん増えて、最近やたらと見かけるようになった気がしている。
もとは軍事航空分野の技術を自動車に応用したものであり、ハイテクなイメージがあるので、まだ新しめの技術かと思いきや、その歴史は意外と長く、バブル期にはすでに日本車でも採用例があった。
日本車で初採用したのは、高級車ではなくS13シルビアだ。当時はデジタルメーターなどハイテクなイメージのものが人気を博していて、どちらかというとそのひとつという意味合いで開発されたもののようだが、もちろん運転中の視線移動を減らすことができて安全な走行に寄与する点でも画期的だった。
それがどんどん進化して、いまや車速やカーナビの情報、シフトポジション、燃費、燃料残量、ACC設定、接近車、視界支援、制限速度、諸々の警告情報などを映し出すまでに進化した。
そんなヘッドアップディスプレイには、かねてから賛否両論があるのをご存じだろうか。もてはやされる一方で、否定派からは、目障りだ、ジャマだ、気が散る、焦点を合わせにくい……などといった声が噴出しているのだ。
まあ、イヤなら見なければいいわけで、大半のクルマでは表示されないようにもできるので、どうしてもイヤならそうすればいいだけの話なのだが、せっかくよかれと思って開発された有益なものなのに、使わないというのももったいない話だ。
否定派のなかにも、機能としては便利で役に立つので、できれば使いたいけれど、いざ使うといろいろ気になるという、じつはそういう人も少なくないことだろう。